『無様で何が悪い』これにて閉幕でございます。
 お付き合い頂き有難うございました。

 もともとこの小説は二年前、原作を読み直した勢いと情熱でぐわっと書き上げたお話でした。
 その勢いのまま原作も最後まで読めばいいものを……噂で大勢死んだと聞いたため、怖くていまだに最終章に手が伸ばせていません……。

 十一番隊に異動になった、かつては四番隊にいて鬼道系斬魄刀の持ち主で剣術が苦手で極めつけに戦いが怖い女死神。
 そんな彼女を十一番隊の面々はどう受け入れるのだろう、受け入れないかもしれない。市丸隊長は本当は何を想っていたのだろう、どんな人だったのだろう。日番谷くんに急速に追いつかれる雛森さんは? ルキアと道を別たった恋次くんは? 志波三席を喪った乱菊さんは、海燕副隊長を刺したルキアは?
 そして、死神になるよりも先に級友の喪失を経験して剣を握ることに恐怖を憶えた檜佐木は、一体どんな想いでそれでも戦地に立ち、副隊長にまで上り詰めたのだろう。

 そんなことを考えながら描き進めて、うまく表現できない部分も多かったのですが、作品全体の雰囲気はとても気に入っています。
 まーちょっと更木隊長が優しすぎるような気がしないでもないですが……そこは大目に見てやってくださいね。

 ちなみに『無様で何が悪い』に章タイトル『けだものと花』がついておりますのは、本編を第一章として、この後第二章朽木ルキア奪還編・第三章破面編・第四章空白の17か月編……と一応構想だけはあった名残となっています(笑)
 連載として続けるのは難しかろうと思いますが、断片的にでも描けそうなら気分転換がてらやりたいなとこっそり考えてもいます。

 多くの人に出会い、世界が色づき、『死に損なった』から『生きて帰れた』と思えるようになった澤村の成長の過程、楽しんで頂けていましたら幸甚でございます。

 最後まで読んで頂きまして、本当に有難うございました。

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