uso to honto







 眠る前の話し
 深夜を過ぎてもはや早朝、私は布団の中へ足を入れる。あたたかい。正しくは、温められている。先に寝床へ入りスヤスヤ寝息を立てている人が居るからだ。ぬるま湯のような心地いいその中へ潜り込むその瞬間に、いわゆる幸せを感じる。これこそが幸せというものか、なんて安っぽい言葉しか私には浮かばないが、それでいいとも思う。寝返りを打ったあの人が、冷たい私の手を握り迎えてくれる。こんな時間まで何をしていたんだ、なんて怒ったりしない。思ってはいるかもしれないけれど。私の体はコンニャクみたいなの。芯がないような私のぐにゃぐにゃな体は、その場の環境温度に合わせて冷えたり熱されたりする。冷凍庫に入ればすぐに凍るし、熱湯へ落とされたら数秒でアツアツになる。コンニャクだからだ。

 深夜の布団へ潜り込むと、時間をかけて湯煎されるように私の体は暖かさを取り戻す。
 あたたかくなる
 眠りにつく
 この二つが合わさって生まれるものが安心、なのかもしれない。今日も(きっと日付をまたいでしまうから、明日かな?)お仕事をしてからお風呂に入って、眠れない時間を過ごしながら体を冷やし、やがてぬるま湯の入ったお鍋みたいなお布団の中へ入る時間がやってくる。

no.03


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