13
一時の好奇心、後の敗北感
「おはよ!」
「おはよう、勘ちゃん。どうしたの?早いね。」
「何も無いけど、今日は早く目覚めたから。翠はどうしたの?」
「私、今日は図書当番なの。」
冬休みも明けて、今年も例年通り彼等と楽しく過ごした。その際にはお兄ちゃんも帰って来て、プレゼントを沢山くれたけど量が多すぎて少し困ったり、構って欲しいお兄ちゃんの相手に二人が疲れ果てたり、色々と大変だった。
「ねぇ、俺も行っていい?」
「え?図書室に?」
「うん。暇だからねぇ。」
いつもは賑やかな彼も、公共の場ではルールを守るし、中在家先輩が怒ることも無いと思い二つ返事で頷いた。
朝、図書室へ来る人は少ないがそれ以外にも仕事はある為、私はせっせとその作業に取り掛かる。尾浜くんも最初はウロウロとしていたが、そのうち姿が見えなくなってしまう。私は、飽きて違う場所へ移動したのかと思い対して気に止めなかった。
「こんにちは、翠さん。」
「あ、こんにちは。そうだ、この前言ってた新刊入荷したの。冴木くんが読みたがってたから、中在家先輩にお願いして置いてて貰ってたんだけど、借りる?」
「え?おれの為に?うわぁ、嬉しいな。ありがとう。借りるよ。」
図書室の常連の冴木くんと話をしているとまたひょっこり勘ちゃんは現れて私の隣に座った。
冴木くんとの会話を終えて手を降って挨拶を済ますと直ぐに勘ちゃんは口を開く。
「昨日の図書当番って誰だった?」
「えっ?昨日?えぇと、ちょっと待ってね、今確かめるから。勘ちゃんどこ行ってたの?私もう教室に帰ったのかと思ったよ。」
「ちょっと図書準備室に用があって。」
「本でも探してたの?」
「まぁ、そんな感じ。」
それなら私に聞いてくれれば、と思った。しかし、名簿を開き、当番の確認をするとそこには彼の名前が。
「えっと……昨日は雷蔵だよ。」
「あぁ、雷蔵かぁ。ありがとう!翠が居てくれて良かったよ、早く分かったしね。」
「雷蔵だったら、何かあるの?」
「別に無いよ。ただ、気になっただけ。」
笑いながら、そう述べるが、やはり何か引っかかる。そういえば図書準備室って、
「あ!今日委員長呼ばれてたんだ!おれ少し行ってくるね。」
「あ、うん。私も、もう片付け無いといけないし。また教室でね。」
お互い、手を降りながら別れを述べて私は部屋で一人になった。
図書準備室。
本棚の並ぶ奥にある、暗くて狭い部屋。其処に行けば何か分かるのかもしれない。もうすぐHRも始まるし、確かめる時間が無いのは分かっていたけど、少しだけなら。
ギギィと古い戸を開けて中を見渡すが、特に何も無い。入り口にある電気を付けるが、蛍光灯はもう切れているのか着かない。奥にある窓を開けようと思い、中へ入った時だ。
後ろでバタンと音がして、暫くその場を動けなかった。
ちょっと待って。どうして戸が閉まったの?それに、ここは確か鍵は外からしか開け閉め出来なくて……
急いで駆け寄るが、時既に遅し。戸はどんなに押しても空かなかった。
私はそう、閉じ込められたのだ。
さぁ、誰にだろう。
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