タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/07/27
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もぐもぐと頬が動いている姿が愛らしくて思わず顔がだらしなくなるのが自分でもわかる。レディは目の前の食事に夢中でおれの視線に気付いていないから遠慮なくその可愛らしい様を見詰めることにして、向かいの席についた。ふたりきりの食事は珍しい。
穏やかな島だったしデートという下心を隠して島に何か食べに出かけないかい、なんて誘った瞬間申し訳なさそうに拒否されてショックのあまりたぶん死んだけれど、次いでサンジくんのごはんが食べたいの、だなんて言われちまったら生き返るしかなくて、というより嬉しすぎて寿命がのびた。5年くらい。いや、10年くらいのびたな、きっと。
そんなコック冥利に尽きることを言われてしまったらレディのためだけのスペシャルランチを腕によりをかけにかけて提供するしかない。愛を込めたランチを気に入ってくれているのが手に取るようにわかる頬の動きで、まだ一口も食べていないのにおれの腹はいっぱいになる。かわいい。好きだ。
「一緒にお出かけも魅力的だったんだけど、サンジくんのごはんを独り占めできるチャンスだって思ったら、つい。ごめんね、食い意地が張ってて」
おれが眺めていることに気付いて恥ずかしそうに口の中のものを飲み込んでから告げられた言葉のどこにレディが申し訳なさそうにしなくちゃいけないことがあったのかわからなくて口が緩む。食い意地が張ってるってのは自分の分があるのに人のメシを奪ってまで食おうとするやつのことだ、レディのことじゃない。
「お礼を言いたいくらい嬉しかったんだから謝らねェで。おれの料理を気に入ってくれてありがとう、レディのリクエストならいつだって受け付けるよ」
嬉しそうにはにかんでまたナイフとフォークを手に取る姿が本当に愛らしい。
「もう……そんなに甘やかして……サンジくんのごはん以外で満足できなくなっちゃったらどうしてくれるの」
頬を緩ませながらも拗ねたように呟かれた言葉がおれにとっては砂糖の塊のように甘いものに聞こえて狼狽える。おいしいおいしいと舌鼓を打つレディはまた視線を下に向けて食事に集中しはじめたからおれの狼狽には気付いていない。だけどレディの言葉にいつまで経っても返事をしなかったら優しいレディが不思議に思ってまた視線をおれに戻してくるだろうことはわかってる。わかってる、のに。レディが呟いた言葉に深い意味なんてないのもわかってるのに、それでも胸が昂るのが抑えきれなくて体温が急上昇していく。
“そう”なっちまえばいいのに。
一生おれだけのメシで生きてくれればいいのに。
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