タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/07/27
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死ねと言えば死ぬんじゃねェか、この女。
そう思ったことが何度もある。ただ頭の回転が早いだけで血生臭いおれの周囲をなんとか生き延び、何が気に入ったのかまるでおれを神か何かのように崇めておれの望むままに生きる姿に眉を顰めたことが幾度も。言ってしまえば冗談だと笑う前に何も考えず命を断ちそうなほどの心酔ぶりに迂闊に疑問も口に出せやしない。
「おい」
「はい」
どんなに集中してようが眠っていようが、名前を呼ばなくても己を呼んだことに一瞬で気付き視線を合わせる姿はやはり不気味だ。
「今から言うことは、もしも、の話だ。実行するな、間に受けるな」
「? はい」
それでもとうとう胸の内で疑問を燻らせることに限界がきて、念には念を押す言葉を大量に吐いて頷かせる。口約束を取り付け、いざというときのために能力を発動させるのも忘れず言葉を紡ぐ。こんなに用意周到にしている時点で女の出す答えがおれの中で決まりきっているようなものでも、直接聞いてみたかった。
「おれが死ねと言ったらお前は死ぬのか」
「いくらクロコダイルさんの命令でもそれだけは聞けません」
思っていた答えと違う言葉が即座に返ってきて気付かぬうちに硬直していた。はい、と頷かれるものだと思っていた。何を当たり前なことを、と笑われると思っていた。それが裏切られて固まる。なんだ、結局お前も、
「クロコダイルさんが死んだら後を追えなら言われなくてもそうしますけど、生きていないとクロコダイルさんのこと見られないので困ります」
「……あァ?」
その程度なのか、そう淀んだ考えが頭を支配しはじめた瞬間続けられた言葉に口から空気が漏れた。
「私はクロコダイルさんの一生を見ていたいので」
当たり前のように紡がれて力が抜けた。
「一生おれのそばにいる気か」
「はい。……あっ、さっきのは間違いです。死ね、という命令も聞けませんが、それだけじゃなく、離れろ、という命令も聞けません。それ以外なら頑張ります」
頑張ります、と気合をいれる姿に呆れる。死ねと言えば死ぬより厄介なことを言っている自覚はあるんだろうか。
「……そんな貧弱な体でおれより後に死ねると思ってるのか。めでてェお嬢さんだな」
馬鹿にしたつもりだったのに声色が上がった気がした。
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