タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/08/04


 サンジくんの宝石みたいな目から海のような綺麗な涙が流れていて胸が締め付けられる。あの甘くて美味しい島から帰ってきてからサンジくんは時折その細い手首をなぞる癖が付いた。王子様のように赤いマントをはためかせて、手首には黄金のブレスレット。その黄金は、手枷。命にも等しい手にそれをはめられたサンジくんの心労は計り知れない。私がいても取り繕うことすらできずぽろぽろと涙をこぼし続ける姿に胸が痛くなる。私に甘えて涙を流してくれているなら嬉しいけれど、今のサンジくんはただ自分の意思で涙を止めることができないだけ。

「サンジくん」
「レディ、ごめんね」

 どうして謝るの。困ったように涙を流すサンジくんの涙に濡れた頬を撫でる。

「情けない男でごめん」
「謝ることなんてひとつもないよ。私はみんなとこの船にいるサンジくんがだいすき。笑って泣いて怒って悲しんで喜んで、いろんな表情を見せてくれるサンジくんがだいすき。帰ってきてくれてうれしい。おかえり、サンジくん、帰ってきてくれてありがとう。だいすきだよ」

 ぼろりと一際大きなつぶが私の指を通り抜けていって、思わず抱きしめた。