タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/08/10


 みんなが散り散りになる瞬間大きな声が聞こえて、嫌な予感にそこかしこで息を呑む音が聞こえたような気がした。そんなわけないのに。だって地面が割れて吸い込まれるように落ちていってる。崩落の音に紛れて呼吸音なんて聞こえるわけがない。だけど私たちは経験で知っている。

「だーいじょーぶかー?!」

 大きな声とともにお腹に鞭のようなものが巻きつく。そしてそのまま下に落ちていた体は横にものすごいスピードで進んでいく。ナミちゃんが、壁!壁!と叫んでいるのが聞こえてくるであろう衝撃にギュッと目を閉じた。
 ぽよんっ。一度跳ねて、また下に落ちようとする体がぷらんぷらんとお腹に巻きついた何かが阻んでいて恐る恐る目を開けた。大きく膨らんだルフィがものすごく楽しそうに笑いながら私を見下ろしていてホッと息をつく。

「てんめェ! 女神たちが怪我したらどうすんだ! もっと優しく助けろクソキャプテン!」
「あら、私は大丈夫よ」

 ルフィの腕いっぱいにみちみちにみんながおしくらまんじゅうのように密着していて、サンジくんが怒鳴っている。ルフィは緩衝材と全員を抱きかかえる役目で、サンジくんとゾロとロビンちゃんが壁に引っ付くようにして支えてくれている。そのロビンちゃんも長い腕に絡め取られていて、だけどくるくると目を回す私とナミちゃんと違ってものすごく楽しそう。どうして。悪魔の実を食べた人はこれくらいアトラクションみたいなものなんだろうかとチョッパーを探せば気絶していた。関係なかった、個人差だ。

「シシシッおんもしれェ!」

 ぶんぶん首を振る何人かと、振りたくても振れない何人かと、にこにこ笑う楽しそうな何人か。ルフィのおかげで散り散りになることはなかったけど、みんなの心のうちはバラバラで思わず私も笑みがこぼれてしまった。