タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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これの別視点
2021/08/13
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真っ暗闇にきんきら光る丸い何かがみっつ、目に入って思わず、あ、と声が漏れてしまった。ひとつは微動だにせず輝いて、ひとつは揺れて、ひとつは半分に欠けてその正体に思わず頬が緩む。ひとつは煌々と輝く月で、ひとつはタバコについた揺らめく火で、ひとつはサンジくんの丸い頭。サンジくんの頭を後ろから見ると満月だけど、振り返って真正面から見るサンジくんは髪型のおかげで半月になる。
サンジくんのリラックスタイムだっただろうに、美しい光景に思わず声が漏れてしまって人の気配に敏感なサンジくんの邪魔をしてしまったことに申し訳なく思う。だけどそれ以上に目があったのにおやすみだけを言って去ってしまうのはなんだか寂しい気がして思わず話を投げかけてしまった。もうみんなが寝る時間だからいつもより静かに低く甘い声で会話に付き合ってくれるサンジくんにほんの少し近寄ってタバコを吸う姿を眺める。
太陽が登っているときと違ってのんびり静かなサンジくんを独り占めできるのが嬉しくて意味もなく会話を引き伸ばしたりして。そんな私に嫌がる素振りなんて全く見せずに優しい視線が絡むからなんだか照れくさい。じりじりとタバコの火がタバコを短くしていくのを見つめながらタイムリミットが近いな、なんて寂しく思った。
「……いつもこの時間に寝る前の一服してるの?」
「うーん、まあだいたいそんな感じかなァ」
ただ引き伸ばそうとしただけだったから最後の会話選びがとてもふわふわしてしまったのにサンジくんは優しく笑ってくれて、名残惜しいけどおやすみなさいを言わなければと口を開こうとした瞬間、キン、と音がして瞬く。消えてしまった古い火の代わりに、新しい火がまた灯ってタイムリミットが伸びたことに気付いた。
おやすみなさい、を言うはずだった口を一度閉じて、もう少しだけサンジくんを独り占めしてもいいのかな、なんて頬を緩ませた。
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