タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/08/21
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「すねげ」
「ウワッ」
「あ、ごめん」
ばたんっ。思い切りバランスを崩したせいでビーチチェアにもたれかかる私の横に転んでしまったサンジくんに慌てて謝る。すでにドリンクは受け取っていたから被害はトレイがからんからんと甲板に音を立てて落ちただけ。星空を見ようとチェアを倒して寝転んでいて、サンジくんもお風呂上がりでラフな格好で半ズボンだったからちょうど目の前に生足が見えて思わず魔が差してしまった。膝上から足先までつつーっと下になぞった皮膚自体はつるつるだけど確かにすねげがふさふさに生えていてなんだか不思議な手触りだった。触れた手をぐっぱっと開閉しながら転んで座り込んだまま何が起きてるのかわからないと目を白黒させて私を見ているサンジくんにへらりと笑う。いつもなら笑顔を浮かべればどんな時でもかわいいとメロリンしてくれるサンジくんがそれすらできないほど混乱している様を見てほんの少しの罪悪感。
「ごめん、今のはセクハラだったね」
「れ、れ、れでぃ、何を」
ようやく硬直からとけたのかとりあえず反応が返ってきて安心する。寝転んだまま謝るのもな、ととりあえず半身を起こしてサンジくんとしっかり目を合わせれば白い肌を真っ赤に染めて口をぱくぱくしている姿が金魚のようで可愛らしくて思わず頬が緩む。反省が足りない。ごめん。
「なんで、なに、え?」
「ごめんね、サンジくんも男の人なんだなって思ってつい」
「ど、どういう……」
へらりと笑って誤魔化す。だんだん気を取り直してきたサンジくんがようやく私の笑みでいつもの調子をほんの少し取り戻したのを見てどう言い訳しようかなあなんて考えても、勝手に人の足を触る上手い言い訳なんて思いつくわけもなくやっぱり謝るしかできない。
「ごめんね、怒らないでね」
「おれがレディに怒ることなんてぜってェないよ」
「サンジくんって可愛い顔してるから濃いすね毛がしっかり生えてるのがちょっと意外で」
「かわ」
顎を落として唖然とするサンジくんにもう一度ごめんねと謝る。怒らないと言った手前(言わなくてもきっと怒らなかっただろうけど)何も言えなくなったサンジくんの反応に申し訳なくなりながらもその表情もなんだか可愛らしくて思わず頬が緩みそうになるのを必死に耐える。
「……可愛いっつーのはレディのことを言うんだよ」
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二年ぶりに会ったサンジくんの顔を見て固まる。
「もう可愛い顔してるとか言わないでくれる?」
二年前はほんの少ししかなかったはずの顎髭がたくさん生えていて、それをするりと撫でてにんまり笑ったサンジくんに小さく喉を震わせる。気にしてたの? そう思った瞬間、サンジくんの鼻から血が垂れて驚く。
「あ、だめだ久々のレディが可愛すぎて耐えらんねェ」
顎髭を撫でていた手で鼻をおさえても流れ出る血に今度こそ声を出して笑ってしまった。
「ふふ、やっぱりサンジくんってかわいい」
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