タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/08/28
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「なァ、ローってあのレディのこと好きだろ」
「違ェ」
ふは、と勢いよく白い煙が口から吐き出されるのを横目で見ながら口を真一文字に結んだ。くだらねェ問いかけなんざ無視すりゃいいのに口が勝手に動いた。くつくつと愉快そうに喉を鳴らす黒足屋を視界に入れたくなくて帽子を深く被る。
「あのレディってどのレディだ? どのレディを思い浮かべた? イッカクちゃんか? それとも、」
「違ェ」
同じ轍を踏んでまた勝手に動いた口を縫い付けたい。次こそ無視する。今度は瞼も下ろした。
「まあ知ってたけどよ。近付いただけでローの殺気がすげェのなんの。確かにかわいいもんなァ」
「かわいくねェ」
今度こそ堪える気もない笑い声が耳に届いて苛々する。喉が引き攣るほど笑っているのか呼吸が乱れていて腹に据えて閉じていた目を開いて睨みつけた。それでも尚げらげら笑う姿に、す、と左手を上げれば、まあ落ち着けよと笑いを引っ込めた黒足屋にとりあえずは手を下ろしてやる。
「恋するコックさんとして教えといてやるが、レディには優しくするもんだぜ?」
「あ?」
「いい歳こいて好きな子いじめてちょっかい出す野郎はクソダセェってこった」
「好きじゃねェ。いじめてねェ」
おれの返事を聞いて両手をあげて肩をすくめため息をつくオーバーリアクション気味な姿に眉根を寄せて苛々が高まっていく。何度言えばわか、
「キャプテン黒足屋となんの話してるんですか?」
「“シャンブルズ”!」
「ピャッ」
「うわてめェレディに何してやがんだアホ!」
唐突に背後から声が聞こえて咄嗟に技が出てしまう。ごとん、と背後に物が落ちた音に振り返る。自室の時計が無惨にも時を止めて破壊されていて振り上げていた手で顔を覆った。やっちまった。あいつが急に出てくるから。
「……お前、何歳なの? 初恋? やべェからな、マジで。あとでちゃんと謝れよ」
「好きじゃねェ」
「じゃあおれが口説いていいか?」
「駄目だ」
「なんでだよ」
「……」
ガラクタになった時計を拾ってようやく口が勝手に動かなくなる。言うこと聞いて欲しかったのは今じゃねェ。
「駄目な理由、ちゃんと考えてレディに言えよ」
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