タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/08/31
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心配でドアを開けたのに私を見た瞬間ぐにゃぐにゃと体をくねらせて私のそばに跪いて両手を上げる姿に、サンジくんの声が出なくなったなんてとても思えなくて思わず頬が緩んでしまった。大丈夫?だなんてサンジくんに聞けば首がもげるんじゃないかってくらい縦に首を振る姿しか想像できないからドクターの顔をしているチョッパーに向き直る。
「サンジくん、大丈夫?」
「うん、原因もわかってるし、数時間で声は元通りに戻ると思う。これに懲りたら見たことない物を食うなよ! 罰として今日は料理禁止!」
声が出ないなんて嘘かのように、身振り手振りでそれだけは許してくれ頼むお願いだチョッパーと嘆くサンジくんに呆れて笑う。サンジくんはコックさんで見たことない食材を味見したくなる好奇心も、私たちに食べさせるものに害がないか調べようとする気持ちもわかるけど、じゃあみんなの命を預かるドクターの気持ちもわかってあげてほしい。チョッパーがちょこんと座る椅子にしなだれかかって未だに縋るサンジくんの肩をとんとんと叩けば、いつもはハートに潤んだ目が悲しげに潤んでいて思わず甘やかしたくなってしまう。でもドクターの言うことは絶対だし、サンジくんにも反省してほしい。サンジくんが本当に望む料理をしていいよという言葉はかけてあげられないけど、でもその悲しげな瞳につい甘やかしたくなってしまってさっきのサンジくんのように両手を広げておいでと笑ってみた。
途端に固まってしまったサンジくんと、呆れたようなチョッパーの視線に思わずふきだす。いつも口説いてくるくせに結局こうして迫られたら固まってしまうからもったいない。いつもなら固まったサンジくんに冗談だよ、と揶揄うだけだけど、今日は反省してほしいけど甘やかしてあげたいからこのまま待ってみる。サンジのことよろしくな、と見張りを私に任せたチョッパーが出て行ったことにサンジくんは気付いただろうか。たぶん気付いてない。せめて息はして。はっ、と思い出したように空気を吸ってまた声は出なくとも騒がしいサンジくんのリアクションに楽しくなってしまう。いいの? なんで? 夢? 声が出なくたって言いたいことがつぶさに伝わってくるけど、でもやっぱりサンジくんのあの甘い声が聞こえないのは寂しくて。ほんの数時間で戻ってくるとは分かっていても寂しいものは寂しい。
固まったままのサンジくんに一歩近付く。えっ、えっ、と音の出ない口を動かして視線を泳がせるけど声は出ないままで。
「私、サンジくんの声すごく好きだからもう二度と一人で勝手に毒見するのやめてね」
マネキンのように固まったままのサンジくんを抱き締めた。
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