タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/09/11


「キャプテンってスキンシップあんまり好きじゃないですか?」
「あ?」

 聞かなくてもあんまり好きそうには見えないけど、でも人を見た目だけで判断するのは悪い人のすることだ。私たちは海賊だからそもそも良い人にはなれないのだけど。そんな自分の突っ込みにほんの少し笑ってキャプテンを見上げればクマの濃い顔がさらに険しく顰められていて自分から振った話題をすぐさま消し去りたくなった。でも今私たちは潜水しているし逃げ場なんてない。仕方なく腹を括って怒られるまでは会話を続けようと思った。気になるから聞いた訳だし。

「私が近付くとちょっと体が強張るから、……アッ待ってくださいこれスキンシップが好きじゃないんじゃなくて私のことを好きじゃない感じですか?!」

 掘り下げようと思った瞬間、ふと悲しい可能性が浮かんでばくばくと心臓が脈打つ。待ってなんで一番最初にこれ思い付かなかったんだろう泣きたい。つらい。

「ご、ごめんなさい、あの、」
「ちげェ」
「極力近付かないようにします、その」
「違うと言ってる」
「ぇあ?」

 ただのクルーの分際でキャプテンに馴れ馴れしくしすぎた。ぺこぺこと頭を下げて反省していれば頭上から降ってくる声に間抜けな空気が漏れる。恐る恐る顔を上げてもキャプテンの険しい表情は変わらないままで視線が彷徨う。

「……別に好きじゃない訳じゃない」
「でも、」
「一応お前、女だろ」
「はぇ?」

 訳がわからないというか、とても今更なことを言われて頭の中にクエスチョンマークが大量に発生する。一応も何も、生まれた時からずっと女体です。同じ女同士だからイッカクちゃんとも毎夜ベッドの中で女子会してます。まさか知らなかったんですか? お医者様なのに? えっ、健康診断してくれてましたよね? あれ?

「違ェ、いや違わねェ、ちゃんとお前が生物学的に女なのは知ってた。知ってた、が、女だったんだなって」
「……??」

 意味がわからなくて目がぐるぐるしそうになる。

「男とは違う生き物だ」
「?? そうです、ね?」

 至極当然なことばかり言われているのに訳がわからない。キャプテンは何が言いたいんだろう。

「まあ、つまり、そういうことだ」

 どういうこと??