タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/09/12
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あれ、あれ、あれ? どうして? おかしい。
「レディ、ちゃんとおれを見て」
声と同時に、ふ、と顔に息がかかる。それもそのはずで、だって、見て、と言われずとも他のものが視界に入らないくらい目の前いっぱいに広がるのはサンジくんの顔、で。吐息が肌を滑るほどの距離に逃げたくっても、私の背中はぴったり壁にくっついていて、左右はサンジくんの腕と足に囲われて、サンジくんの檻の中。
おかしい。どうして。
何度繰り返してもこの状況がどうにかなるわけなくてただひたすら瞬きを繰り返すだけしかできない。いつも通り女の人に弱いサンジくんをただからかっていただけだった。そう、いつも通り、女の人に弱いサンジくんをからかって、笑って、……それから何を言ったんだっけ。さらさらの金色の髪がカーテンみたいに私の頬を撫でて、サンジくんの瞳にひどく狼狽した私の顔が写っている。
レディ、と甘やかな声が耳をくすぐって硬直していた体が反射的に動いてサンジくんの胸板を両手で押す。びくともしない真っ黒の壁に息を呑んだのも束の間、するりと左右の手の檻がほどかれてほっとした。よかった、
「だめ」
とろけるような低い声が脳を揺らしたかと思えばサンジくんの胸板を押していた手がするりとあっという間に絡め取られてほどけないように拘束される。指と指の間に指を絡めて離れないようにぴったり繋がれた手に吐いた息をまた呑みこむ。うろうろと忙しない目で、サンジくんが笑ったことを認識してばくばくと心臓がおかしな音を立てる。
「レディが言ったんだよ」
内緒話をするような声の小ささ、なのに、この距離だと体中に重く響いて聞こえなかったふりなんてできない。私は、何を言ったんだっけ。楽しげに笑うサンジくんがゆっくり近付いてきて、こつん、とおでことおでこがくっついた。
「レディが言ったんだ。だから、いいんだよね?」
何を言ってしまったんだっけ。
おでこの次は今度は鼻の頭と鼻の頭が動物のあいさつのようにくっついて、次は、くち、
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