タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
これの続き
2021/09/15


「そろそろ、ちゅう、したいな、って」

 どんどん小さくか細くなる声だったのに、静まりきったふたりだけの空間にはとても響いてぐわんぐわんと頭が揺れる。サンジくんの白い肌がほんの少し赤く染まっていて、私もきっと真っ赤になっている。だってこんなにも体がぽかぽかしていて、体中が熱くてたまらない。

「ちゅ、う……」
「……ゔ、かわぃ、ちげェいやごめん、こういうのってわざわざ聞いたりするもんじゃねェよな、ごめん、忘れて」

 たばこを燻らせながらばちん、と音を立てて大きな手で顔を覆い隠して反省し出したサンジくんになんて声をかけたらいいのかわからなくて口籠もる。

「わざわざ聞いてするもんでもねェけど、でもさ、勝手なことしてレディに嫌われんのもこわくて、は〜……情けねェ」

 大きな手を下ろして気持ちを落ち着けようとたばこの火種をくゆらせて長く吸う姿をじっと見つめることしかできない。ふぅ、と私の方へ煙がこないように吐き出す唇に目がいって、これ以上体が熱くなることなんてあるのかと思うほどカッと何かが燃え上がる。

「かっこ悪い彼氏でごめん」
「サンジくん、に」

 へら、と笑うサンジくんに頭を振る。何も考えずに口からついて出た音に自分で驚いて一瞬固まってしまったけど、もう一度息を吸ってサンジくんを見上げる。まっすぐ見つめて話せればいいんだけど、照れ臭さに少し視線が右往左往するのは許してほしい。

「サンジくんにされて、いやなことなんてない、よ」

 私の声も、サンジくんに負けず劣らず小さく、か細くなってしまった。だけど私がサンジくんの言葉をしっかり耳で聞いたように、サンジくんにも私の言葉は届いた、はず。