タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/09/22
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「プレゼントは、わ、た、し❤︎」
「えっそんなっえっほんとにいいんですかありがとうございます!!」
頭に可愛らしく真っ赤なリボンを巻いて妖艶に微笑むレディに遠慮も何もなく飛びついた。はずだった。ごん、と何かに盛大に頭をぶつけてハートにしていた目が星を散らして瞬く。いてェ。なに。訳もわからず星を追いやろうと瞬きを繰り返せばようやくここがオアシスでもなんでもなくおれの城であるキッチンが見えるテーブルだった。椅子に腰掛けたままテーブルにレシピノートを広げて頬杖をついたまま一瞬意識を飛ばして、さっきの素晴らしい夢を見て、そして頬杖のバランスを崩した結果額を思い切りテーブルでぶつけた。ハア、と大きなため息をつく。
せめてあのレディをぎゅっと抱きしめあの柔らかな髪をかわいいかわいいと撫でさすりリボンをほどきたかった。包装紙をほどいて中身を美味しくいただくまでがプレゼントの醍醐味だろ。なんで起きたんだバカヤロウ。クソが。もったいねェ。レディはそんなことしねェだなんてそんな、うるせェそれこそわかんねェじゃねェか確認するためにはそれを聞かなきゃいけねェ誰か聞いたのかよいや聞いたことある奴いたら締めねェと夢はおっきくだろうがレディが真っ赤なリボンを巻いておれにプレゼントしてくれる日がいつかくるかもしんねェ。
「あの〜……サンジくん、ほとんど声に出てるよ」
「ギャッ」
背後から心の中でぐるぐると考え続けていたレディの声がぶつかって文字通り飛び跳ねる。錆びついた人形のようにぎこちなく振り向けば明らかに困った笑顔を浮かべる渦中のレディ。起きてたの。いつから聞いてたの。焦ってなんの言葉も出てこなくて冷や汗をかきながらレディをきょろきょろと忙しない視線でチラ見する。
「あ〜っと……えっちな夢でも見てたの?」
「いやそのえっとちが、くないですごめんなさい『プレゼントはわ、た、し❤︎』ってリボンを巻いて微笑んでくれるっていう男の夢を見ました! でも受け取る直前に悔しいことに目が覚めちまいました!」
「ワァ、正直にも程があるよ」
気まずそうに尋ねられた質問に誤魔化そうとしたけど、でもだって聞かれてたなら変に誤魔化す方がドツボにハマる気がして白状する。土下座の勢いで跪いて謝れば、ほら、レディが呆れながらもちょっと笑ってくれた。よかった。いや何もよくねェけど。
「プレゼントがリボンを巻いた私で嬉しいの?」
「嬉しくねェ奴がこの世に存在するならたぶんそいつは男じゃあないです」
不思議そうなレディに思わずキリッと答えてしまった。せっかく笑ってもらえたのにまた引かれる。しんどい。レディもなんでサラッと流してくれないの。いつもみたいにバカなことしてるなァって天使の微笑みでスルーしてくれたらいいのにどうして深掘りするんだ。
「サンジくんは誰かにサンジくんをプレゼントするの?」
「えっそりゃもう望んでくださるなら今すぐにでもというかいつだっておれはレディの恋の奴隷」
「サンジくんが」
勢いで跪いたおれの目の前に同じくしゃがみこんで目線を合わせてくれたレディの唐突な行動に軽い口が固まる。じっ、とまっすぐ見つめてくる丸い瞳に訳もわからず動揺しながらもレディの続く言葉を聞き逃すまいと耳に神経を集中させた。
「サンジくんが私だけにサンジくんをプレゼントしてくれて、一生返品しないでいてくれるなら私、リボンを巻いたっていいよ」
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