タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/09/26


 キャプテンの暗い部分を私は知らない。もしかしたらクルーのうちの誰かは、何人かは、聞いてるのかもしれない。だってうちのキャプテンは単独行動が多い。その時にキャプテンの考えることをきちんと理解できる人が留守番組にいなきゃ、置いていかれたときにどう行動すればいいのかわからなくなってしまう。キャプテンは私たちを大事にしてくれていて、大事にしているからこそその全てを明らかにしてくれず、大事にしているからきっと誰かひとりには打ち明けている。
 私も、そのひとりになれたらよかったのに。
 考えて、馬鹿みたいだなと笑った。選ばれるわけがない。だって私に何ができるの。特別なことなんて何一つない。ハートの海賊団のただの一クルー。キャプテンたちと共闘できるような強さはないけれど、一般市民のように弱くもない。ただそれだけ。そんなのはうようよいる。
 あーあ、とため息を吐く。
 結局のところ、キャプテンに聞けないのが一番馬鹿。試すこともしない。キャプテンの暗い部分に、私が触れていいか聞くことの勇気が出ない。一歩を踏み出す勇気すらなかった。