タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
これのサンジ視点
2021/09/30


「アラ、サンジきゅん、これゆび」
「さっわんじゃねェ!」

 ヒュッ、と胸元を鋭利な音が掠めてシャツが引き裂かれその中に大事にしまっていたものが宙に浮いて慌てて手を伸ばす。その隙を見逃すはずもなく腹に重たい一撃を食らったけど、わかっていてもこれは手放せなかった。受け身を取りながら転がる。ぐ、と握り締めた手の中には指輪が収まっていてホッとしながら次の攻撃に備えて前を見た、瞬間後悔した。攻撃態勢を解くきおぞましい表情でおれを見つめる姿に頬が引き攣る。

「恋バナの気配」
「うるせェうるせェ! 散れ!」

 散れ!と叫びながらも逃げているのはおれで、どこに潜んでいたのか人数が増え他の奴らもおれを追いかけてきていた。
 必死で逃げて、撒いて、なくさないように強く握り締めていた手を開いて中身を見る。きらりと輝くそれは内側にレディのイニシャルとおれのイニシャルを彫っていて頬が緩む。告白もしていないのにこんなもの作って、気持ち悪いだろうか。いつかどこかで良いムードになったときに告白とともにこれを渡すつもりだった。期間はあったのに悩んで、悩んで、渡せなかった。勇気が足りない、情けない男だ。まさかこんなに長い間これが手元にあるなんて思わなかった。だってレディはおれがずっと守るから、ずっとそばにいるから、そのうち勇気を奮い立たせることができて、バッチリ決められる時がくる、なんて悠長なことを考えてた。慢心していたせいで、離れ離れ。生きているかどうかもわからない。おれが生きていて、ルフィも生きてる。だからきっと大丈夫だ。そうは思っても不安でたまらない。せめて想いだけでも伝えていればよかった。

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 ずっと後悔してた。二年経って再会したレディは前よりさらに可愛く、美しく、強く、女神そのもののようで眩しくて仕方がない。言えなかったことを後悔していたくせに、再会してもその美しさに気後れして、ふと触れた指先にしまったと思った。サイズが変わっている。二年経ったんだ、そりゃあそうだ。作り直さなきゃな、なんて眺めていたのが悪かった。つるん、となぜか指先が滑って甲板をころころと転がっていく。まるで導かれるように転がっていくその先にいたのは、────