タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/10/12
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私とサンジくんの体の境目がわからないほどぴったりとくっつきあっている。暗く狭い箱の中に隠れて、さらに私を覆い隠すように強く強く抱きしめる姿は普段のサンジくんからは想像もつかないほど真剣で。真剣な表情は今までだって見たことある。強い敵と対峙して私たちを守るサンジくんの横顔。見知らぬ食材を前にした時の楽しそうで、だけど目の前の命にひたすら真摯な表情。だけどそれらが女の人に向くことなんてなかった。ましてこんなに密着しあっているのに鼻血を噴き出さず、表情を緩めることすらしないサンジくんは珍しいなんてものじゃなく、夢かと思ってしまうほど。至近距離で少し手が触れ合っただけでも「レディのたおやかな指とおれの指が触れ合っ、ぶっ……」と想像力豊かなサンジくんはどこかに旅立ってしまってしばらく帰ってこない。
そんなサンジくんが私を世界中の何もかもから隠すように覆い被さって抱きしめて、真剣な表情で息をひそめている。外で微かな物音がするたびに気を張っているのかぴくりと髪が揺れて鋭い視線をそっちに向ける。私を守るように抱きしめる力は緩めずに、むしろ強まる力にサンジくんの体の中に溶けて混ざってしまいそうで、なんだか胸がいっぱいになって口から空気が溢れてしまった。気を張っていてどんな小さな物音すら聞き逃さないサンジくんがそんな私の震える吐息に、びく、と揺れて申し訳なくなった。
サンジくんの片方しかのぞけない垂れた瞳が鋭く吊り上がって警戒の色を滲ませているのに、私はただ荷物のようにじっと固まって抱かれているだけ。なんの役にも立てないけど、足手まといにもならないように静かに息をひそめてサンジくんに体を任せた。サンジくんと一緒ならきっと大丈夫だから。
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