タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/05/29
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目が冴えて眠れないんだと温かいミルクをチョッパーに差し入れたところだった。ほっと一息をついて瞼がとろりとろりと溶けてしまいそうなチョッパーに、頬を緩ませながらおれも御相伴にあずかろうかね、なんて思いながらマグカップを持ってチョッパーの隣に座る。目が冴えて眠れないんだと言ったのなんて嘘のように頭をこくこく傾けるチョッパーがついにかくんと睡魔に襲われておれの膝に頭を乗せて小さく笑った。おれが飲み終えたら運んでやるか、と考えた瞬間、扉が開く音に視線を向ける。
ぱち、と視線があって、おれがいつものようにくねくね近寄らないからか不思議そうな顔をしたレディに膝を指し示せばふわりと女神のように微笑んでくれてミルクを飲まずとも体が火照る。ここに来たからにはきっと何かが飲みたくてきたんだろうと後回しにしていたチョッパーを先に運ぼうと動くのをそのままで、とレディが止めて首を傾げる。
「ふたりで何を飲んでたの?」
チョッパーを起こさないようにか控えめな声音で隣へそっと座ったレディに、温かいミルクだよ、と答える。まだ飲んでいないからミルクでよければ、と差し出そうとしたのを、それはサンジくんのでしょうと断られてへらりと笑った。レディが飲み物を飲んでいないのにおれだけ飲むのもなんだか気が引けて、ほかほかの湯気をあげるそれをカウンターに置いてレディを見つめる。隣に座ったレディも静かにおれを見上げていて、メロリンのタイミングを失ってしまったおれはなんだか居心地が悪くてええとそのだの口籠もってしまって格好がつかない。
「夜のサンジくんはなんだか可愛らしいね」
天使の笑顔が直撃して胸をおさえる。かわいい。なんだ。なんのご褒美タイムなんだこれ。可愛らしい、ってあんまり紳士的には嬉しくない褒め言葉だけど、でもレディから言われるならなんだって嬉しい。メロリンしなければ褒めてもらえるのか。物理的にくねくねできないだけで心の中は狂喜乱舞なおれの視線の先で楽しそうに笑うレディにばくばくと心臓が脈打つ。
「飲まないの?」
「れ、レディ、やっぱりおれ、レディのぶんもいれるからさ、一緒に、の」
飲もうよ、と続く言葉はキュッと飲み込んでしまった。レディがスッと近付いてきたかと思えばふわりとミルクよりよっぽど甘い香りをさせて唇に触れてきて硬直する。
「私は飲み物じゃなくてデザートが食べたい気分だったから本当にいいの。ごちそうさま、おやすみなさい」
ぱちぱちと何度瞬きしても目の前で微笑むレディは消えなくて、つまり妄想じゃなくて現実で。おれの唇に触れた何からレディの甘い唇で、悪戯気に告げられた言葉を頭の中で噛み砕けた頃にはチョッパーに気を遣ってか静かに扉が閉まってレディが退室したあとだった。
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