タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/10/13


 はふっ、とレディの可愛らしい吐息が聞こえて振り返る。チョッパーと何やら楽しそうに話してんな羨ましい、なんて思いながら食材を吟味するという仕事に専念している隙に屋台で何か買ったのかもごもごと頬を動かしていておれの頬も思わず緩んだ。

「わわわ熱かったか?! ごめんな!」
「んーんはいひょふひにひないへ」
「ふは」

 チョッパーに差し出されて口に入れたものが熱かったのか両手で口をおさえる姿がかわいらしい。はふはふと空気を取り込んで全然大丈夫には聞こえないレディの優しさに頬が緩むだけじゃ飽き足らず笑い声が漏れてしまった。そんなおれに気付いたレディが恥ずかしそうに目を細めて照れている姿も愛らしい。申し訳なさそうに謝りながら慌てているチョッパーの頭を撫でて、荷物から水筒を取り出す。

「レディ、お水をどうぞ」
「はひはほふ」

 熱いからか、それとも恥ずかしいのか、顔を赤く染めたレディが水を入れたコップを受け取って、口にあるものをこくんと飲み込んでから冷たい水を含む姿を眺める。

「火傷しちゃったか? ごめんな、そこまで熱いとは思わなかったんだ……」
「出来立てを一番にくれようとしたんだよね、わかってるよ。ちょっと熱かったけど、でもすごく美味しかったからチョッパーも熱いうちに食べて? あ、でも気をつけてね」

 はふ、と一息ついて落ち込んでいるチョッパーに柔らかく微笑む姿は女神のようで胸がときめ、

「あ!! チョッパーなんだそれ!! おれも食いてェ!!」

 く暇もなく食い物の気配に釣られたゴムがやってきてどこにあったんだと瞬時に引きずかれていったチョッパーを見ておれもレディも苦く笑った。

「火傷してねェ? 大丈夫?」
「ん〜……サンジくんがすぐお水くれたからたぶん大丈夫」

 そう言いながらも気になったのか、ちろり、と真っ赤な舌を出したレディにヒュッと喉が鳴る。のも束の間、ここが島の往来だということをふと思い出して手が伸びた。

「ギャッ! レディえっちだからしまって!」
「えっ」

 レディの舌を覆い隠すように口全体を覆って、レディのあられもない姿を見てしまったクソ野郎がいないかキョロキョロと視線を動かす。よし、誰も見てねェな。よし。あぶねェ。

「はんひふん」

 困惑したような声に彷徨わせていた視線をレディに戻して固まる。しまって、と叫びながらもしまう暇も与えず覆ってしまったせいで、手のひらに触れる舌の感触にぶわっと全身の毛が粟立った気がした。