タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/05/31
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ただいま。とても良い人とは思えない少しだけ悪い笑みで向けられた言葉に、それが彼らしくてホッとした。ああ、本当にローが帰ってきてくれたんだ、って。嬉しくて、安堵して、きっと鬱陶しそうにシャンブルズされるのは目に見えててもそれでも体は勝手に動いて抱きついた。
はずなのに、痛みで目が覚めた。目が覚めた、ということは、さっきのは夢で。今私がいる場所は、暗く冷たい潜水艦の白いシーツの上で。上半身を起こして重い瞼を開ける。机の上に常に置きっぱなしにしているそれに目を向ける。帽子が特徴的な電伝虫。ローの、電伝虫。ずっと眠ったままの電伝虫。それを手に取って、だけど私から発信することは絶対にしちゃいけない。ローの邪魔をしちゃいけない。わかってる。わかってるのに。ぎゅう、と眠っているそれを抱き締めた。
ブン──と重い音と共に空気が揺れて、上半身がシーツに逆戻りして背中を打った。
「痛ッ……」
「ただいま」
私のお腹の上で声がして衝撃と痛みで瞑っていた目を開く。彼を模していたはずの電伝虫の代わりに彼自身が夢の中以上に悪どい笑みで私を見下ろしていて、やっぱり私は頭では理解していても体は勝手に動いて咄嗟に手を伸ばし上半身を起こしてぎゅうっと抱きついた。抱きつけた。シャンブルズもされなかったし、空虚を抱いて目を覚ますこともなかった。嬉しくて喉が震える。だけど言わなきゃ。おかえりなさいと。
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