タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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これの続き
2021/11/02
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「レディ!」
悲痛な声が聞こえたと同時にふわりと抱き上げられて宙に浮く。驚きにぎゅっと固くつむった目をゆっくり開けばそこにはぶわりと汗を滲ませたサンジくんがいて、サンジくんにお姫様抱っこをされながら宙を駆けていることがわかって安堵の息を吐いた。
「レディが天使なのはわかってる。でもレディの背中に羽はないだろ? ……頼むから危ないことはしないで」
サンジくんの大袈裟な褒め言葉に笑いたいのに、冗談めかした言葉とは裏腹に震える声で紡がれたお願いに息が詰まる。身を固くした私に気付いたのか、悪いのは私なのに雰囲気を和らげようとにっこり微笑んで、それ、なあに、と私が握りしめているものを見つめて優しく尋ねてくれるサンジくんの心遣いに胸が締め付けられる。
「私の、大事なたからものなの」
「うん」
もう二度と、落とさないように、なくさないようにぎゅっと握りしめすぎたせいで手がうまく開かない。ゆっくり指をひとつずつ伸ばして、宝物を空気に触れさせる。
「サンジくんから貰った、大事な宝物なの」
壊れることなく手の中に乗っている宝物に頬を緩ませて、だけどどう思われるかが怖くて声が震えてしまった。
「そ、ん、……」
そんなもののために。きっとそう言いそうになったサンジくんが、きゅ、と口を閉じた。私以外の人から見れば、そんなものでも、私にとっては宝物なの。だけどそのせいでサンジくんに迷惑をかけてしまったのは事実で、それでもサンジくんは私たちレディを否定したりなんてしない。
「……知ってた? レディはおれの宝物なんだよ。レディの宝物ごとまるごとおれが守るから、だから今度からはおれを呼んで」
頼むよ、と震える声で言うサンジくんの表情は、ぎゅうと力強く抱きすくめられてサンジくんの胸元に顔を押し付けられてしまった私には見えなかった。
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