タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/11/04


 テーブルに頬をぺったりくっつけて眠っている姿を見て今更に息を潜めた。
 お風呂に入ってからまだそんなに経ってないのか乾き切っていない髪の毛がいつもよりしめっていて、くるんと柔らかくうねっている。ぴょこぴょこと跳ねている金色の髪の毛に頬を緩ませながらそろりと近付いて隣へ腰掛けた。テーブルにくっついていると思っていた頬は、サンジくんのレシピノートが間に挟まれていて、なるほどこれを書いている途中にうつらうつらと眠ってしまったんだなと頷く。頬で覆い隠されていない部分で垣間見えるクルーに対する愛情たっぷりの文字列に目を細めながらサンジくんの柔らかな髪の毛をひとふさ指に絡めとった。ふわふわ。

「んぅ……?」

 絡め損ねた毛がサンジくんの頬にぺちりと当たってむずがゆそうに唸り声をあげて固まる。こんな体勢で眠っても疲れは取れないし、最終的には揺り起こさないとだめなのはわかっていてもなんとなく今すぐに起こすのは忍びなくて。むにゃむにゃと口を動かしてまたまどろみはじめたサンジくんに頬が緩んだ。くるくるくる、くるん。あとがつくように指先でくねらせれば綺麗にまるまる柔らかい毛に小さく笑って金色から指を離す。
 ぺたん、とサンジくんにならって頬をテーブルに引っ付けて間近でサンジくんを眺める。すぅすぅと健やかに寝息を立てる姿になんだか私の瞼も重たくなってきそう。ミイラ取りがミイラになってしまうことだけは避けたくて、さっきまで金糸を巻き付けていた指をつんと伸ばして柔らかな頬に押し付けた。

「んぐ……?」

 つんつんとつつくうちにだんだん楽しくなってきて、皮膚にわりとめり込ませてしまう悪戯な指先が暖かいサンジくんの手ではらわれる。まどろみに心地よくなっているところを邪魔されれば払いのける行為自体は自然の行いで。だけど無意識でも女の人を邪険にするサンジくんはとても貴重。眠りを邪魔する悪戯な指先をいやがりぺしぺし払うサンジくんの手を避けながらつんつくつんつくほっぺたをつついた。たのしい。

「ァんだよ?! エッレディ!?」

 ぱちりと開いた目と、ぱしんと払われずにとうとう掴まれた指。お互いがほっぺたにテーブルを引っ付けたまま絡む視線に私の目は悪戯が成功して楽しく弧を描き、サンジくんの目は零れ落ちちゃうんじゃないかってくらいまんまるに見開いて正反対。