タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/11/07
アオハル
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「友達だと思ってたのになあ」
華やかな女子会をしているテーブルへうきうきと給仕をしに行ったのも一瞬で、気分は急降下。かろうじてプロとして笑顔のままごゆっくりどうぞと厨房に引き下がって、そしてプロとして雑念は取っ払って仕事に専念したけれど、自室の部屋の扉を閉めた瞬間に意気消沈してベッドに倒れ込む。全体重をそのままベッドにぶつけたからドスンと大きな音を立ててしまって、うるせェ!と階下からジジイの怒鳴り声が聞こえたけど反論も謝罪もできずに布団に顔を押し付けて呻くだけ。
────友達だと思ってたのになあ。
告白をされたらしい女の人がそう言って大層困ったように眉を垂れ下げていた。いつもならそんな会話にふらりと混ざり、レディを困らせる野郎がいるだなんて、その野郎を今すぐここに呼んでくださいおれが成敗しますから、だなんて血気盛んに正義感を燃やしていた。だけれども、そんなことはできなかった。
だっておれも、ついこの間、ずっとずっとおれの心を占めて離さない女の子に告白をしてしまった。
夕焼けに赤く光る教室でふたりきり。日誌を書いているときに偶然手が重なって、言うつもりのなかった想いが溢れてしまった。好きだ。本気なんだ。信じて。君だけ。大好き。本当だよ。普段のようにスマートに言葉は紡げずに、幼児のような拙い言葉の羅列でただひたすら想いをぶつけた。レディを迎えにきた友達が教室の扉を開けるまで、ただひたすらに。
ガラリと勢いよく開いた扉におれも勢いよく飛び跳ねて書き終えた日誌をひったくり教室を飛び出た。さよならの挨拶だけはきちんとした気がする。嵐のような慌ただしさにレディの友達が目を丸くして驚いていたのは覚えているのに、肝心の好きな人の顔が全く思い出せない。愛を紡ぐことに必死で、重なった手ばかり見ていた。おれの手より小さな手は、おれの手に覆い被さってしまって何も見えなくて、夕焼けに真っ赤に光る日誌と火傷やら傷やらがある自分の手しか見ていなくて。レディの反応をひとつも追えていなかった。
────友達だと思ってたのになあ。
今日店に来たあの女の人がそれを言ったときの表情を思い出して、いっぱいいっぱいになった心臓が、きゅ、と冷える。レディも、そう思ったんだろうか。困ったような顔をしていたんだろうか。困らせているんだろうか。金曜日の夕方に告白をして、土曜日、今日、そして、明日が来る。返事も聞かずに逃げたおれの判決が明日くだされる。
友達ですらなくなってしまうんだろうか。
普通に息をしたつもりなのに聞こえたのは、ぐす、という濡れた音。
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