タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/11/15
⚠️サンジくん夢ですがキスをしているのはレイジュです。レイジュは夢主に対して恋愛感情はありません。
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覚えのある気配にぴくりと反応する。それに、その近くに麗しのレディの気配も。気配はそのふたつだけだから何かしらの危険なことは起きないとは思いつつも、レディが何かに巻き込まれるのは嫌で大慌てでそこへ向かえばやっぱりそこにはレイジュとレディがいた。
「……なにしてんだ」
まるで内緒話でもしているかのようにお互いそっと背中を丸めあって顔を近付けていて、いくら明確な敵ではないとはいえ得体の知れない人間との距離感に思わず眉を顰めてしまう。レディ、そんな、レイジュじゃなくておれと内緒話しようよ。
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サンジの周りは愛に包まれていて、その愛のひとかけらが躊躇いもなく私にも向けてくるサンジの周りの人間にいまだに戸惑いを覚えてしまう。私たちがどれだけ酷い仕打ちをあの子にしたか、知らないわけでもあるまいし。目が合えば笑顔で呼び止められる距離感に胸がざわついてしまう。
「サンジくんのお姉さんにこんなことを言うのは申し訳ないんだけどサンジくんを見ているとここがむかむかするの」
ぱち、と瞬く。私を呼び止めたときの笑顔は消え失せて胸を押さえながら本当に申し訳なさそうに告げられた内容に思わず首を傾げてしまった。どういうことかしら。だってあなたたちはあんなにもサンジを愛している。サンジを愛してくれているから、私すらも懐に入れてしまう人たちなのに。むかむか、だなんて。
「サンジくんのことは大好きなのに、むかむかするのはおかしいでしょう?」
「……そうね」
大好き、だなんて言葉を恥ずかしがらずに口にする海賊らしからぬ一味にまた気後れしそうになるけれど頷く。
「最近は新しい島に着くたびにむかむかするようになっちゃったの。だからサンジくんは関係なくて、こう、島アレルギーみたいな感じかなあって考えたんだけど、サンジくんが島に降りない船番のときはむかむかしなくって」
ぱち、ともう一度瞬く。
「こういう新種の毒か何か、知ってたりしない? 毒の専門家だって聞いたから」
どうしてそうなるの。サンジの船の人だからと真剣に頷き聞いていたのに駆け足跳びに飛んだ思考回路に思わず突っ込みをいれそうになってしまった。
「サンジが島に降りるときはむかむかして、サンジが船番のときはむかむかしないのね?」
「うん」
「……サンジは島で何をしてるのかしら」
「一流コックさんだから買い出しとか、今日も、……今日、は」
呆れながら問えば、ぎゅ、と心臓を押さえて、サンジのことを考えるだけでむかむかする、なんて言葉とは裏腹に今にも泣き出しそうな表情に変わって目を見開く。酷かしら、と思いつつ、今日は?と先を促せば深呼吸して私と目が合う。
「ナンパ。いつものことだよ。女の子が大好きなの。ラブコックさんだから」
笑顔のくせに早口に紡がれる言葉は震えていた。今度は私が深く息を吸って吐き出す。ため息。それは毒なんかじゃないわ。逆にどうして毒なんかと思い込んでしまったの。ずっと、そういったことに縁がなかった私ですら聞いただけでわかる。それは毒なんかじゃなくて、恋。ふ、と困惑した空気がひしひしと私の体に突き刺さって呆れてしまう。そうね、心配でしょうね。こそこそとふたりでなんの話をしてるのか、今すぐ問いかけたいのでしょうね。困惑した空気を突き刺してくる不甲斐ない弟の気配と、目の前の恋を知らずに戸惑って私に助けを求める女性に小さく笑った。
「そうね、毒かもしれないわ」
そう言った私にむかむかを追い払えるかもしれないと希望を持ったのか表情が花開く姿に頬を緩ませる。そっと頬に手を差し伸べる。ざわ、と困惑した気配が強まる。そのまま顔を近付けて、ちゅう、と口を密着させた。瞬間、目にも止まらぬ速度で私たちを引き剥がし、間に立った弟に声を出して笑う。
「なッにしてんだ!」
「ごち♡」
「ありがとう!」
「えっ」
恋を毒だと思い込んで私が人助けをしたと思ってるお人好しが私にお礼の言葉を紡いでしまったことで、サンジの怒りが一瞬で鎮火してしまう。事の顛末が気になるからこのままここにいて見守りたい気持ちもあるけれど、馬には蹴られたくない。どういうこと、と尋ねるために背中を向けた隙に空を駆けて退散することにした。ああ、楽しい。
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