タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/06/04


 別におれァ死にたいわけじゃねェ。死ぬくらいのことしねェと恩返しになんねェと思ってただけ。結局それはひとりよがりで、おれのことを嫌いなやつが喜ぶだけで、おれのことを考えてくれるやつはそんなことしたって喜ばねェ。そう、わかってても、でもどうやったっておれァ仲間が危機に陥ってると駆け寄ってしまうし助けてしまうし庇ってしまう。十年、それを拠り所にして生きてきたんだ、悪癖がそう簡単に治るわけもなく。
 今日もまた、おれはレディを庇ってこうなった。
 暗闇から目を覚ましてぼんやり目を開ければ、眠っているおれを気遣って薄暗く、ぼんやり蝋燭の火で揺れる先を見やればこくこくと頭を揺らしながら椅子に座ってうたた寝をしているレディ。ぎゅう、と手を握られていることに気付いて申し訳なくなる。蝋燭の火が揺らいでレディの肌が白く浮かぶ。いつもより肌が白い気がするのも、きっと、おれが血の気を引かせたせい。
 わかってんだよ、こんなことしたって喜ぶわけがないって。でもおれはまだ弱いから、どうしても怪我をしちまう。死のうとしてるわけじゃねェ。ただ力が足りないだけだ。もっと強くなって、一滴の涙もその目から溢れさせずに、君を颯爽と助けられるプリンスにいつか絶対になるから。絶対に、強くなるから。プリンセスにふさわしい男になるから。お願いだから、おれに守らせて。