タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/12/05
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「サンジくんってどうしていつもお姫様抱っこなの?」
不思議そうにおれを見上げる腕の中のプリンセスに状況も忘れてだらしなく目がハートにとろけてしまう。そんなおれに後ろ後ろと慌てて敵の位置を教えてくれる優しいレディにありがとうと言いつつ人の恋路を邪魔するクソ野郎を彼方に蹴り飛ばした。ほっと一息ついたレディにもう一度同じ質問をぶつけられて首を傾げる。
「レディはプリンセスだから」
プリンセスをお姫様抱っこするのに理由がいるんだろうか。レディの質問の意図を汲めなくて事実をただ並べることしかできない。うふふ、とくすぐったそうに笑うレディが愛らしくてめろめろと賛美を唱えたいのに目の前のレディにただ集中させてはくれない火の粉を蹴り飛ばす。とんとん、と胸元をゆすられる。なあに、とどろどろに溶けた声で返事をすれば下ろして、と可愛らしく言われて涙を流しながら下ろす。腕の中からぬくもりが消えてえぐえぐと外聞もなく泣くおれを苦く笑うレディもとっても素敵だけど、このままサニー号まで走った方がレディだって楽だし、おれは楽しいしで絶対いい事尽くしだったのに。確かにもう目と鼻の先だ。ナミさんがそこのふたり何遊んでんのよとっとと帰ってきなさい出港するわよと凛と叫んでいらっしゃるのが聞こえるくらいの距離。後方の敵はあらかた蹴り飛ばしたからレディが走るスピードでも十分間に合うけど、でも、この腕に抱いたまま颯爽と甲板に降り立ちたかった。
しょぼくれるおれに、だけどレディは一向にサニー号に向かう様子は見せなくて首を傾げる。
「サンジくん、ちょっとだけ屈んで?」
「?」
レディの言葉に不思議に思う前にとりあえず言われた通りに屈む。レディがおれの背後に回って、えい、と可愛らしい掛け声を出したと同時に背中に柔らかな衝撃。えっ。
「お姫様抱っこも好きなんだけど、おんぶの方が楽じゃない?」
するりと首の前で交差する腕と、耳元に直接かかる言葉と吐息に崩れ落ちそうになる。ぐ、とどうにか気合いで踏ん張ったけどたぶん鼻血は出た。仕方ねェ。だって柔らかな衝撃ってなにそれ。胸しかなくね? 胸じゃん。おれの背中で胸が押し潰されてる。何枚かの布に阻まれててもそれは胸じゃん。
れっつごー!と楽しげに笑うレディの声にまるで躾けられた競走馬のように瞬時に立ち上がって号令と共に駆け出す。立ち上がった瞬間におれの腰回りにレディの太ももがギュッとまとわりついて、レディが落っこちないように背中側に回した腕には柔らかなお尻が乗っかっている。えっなにこれなんのご褒美?
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「あははは、はやーい!」
「♡♡♡」
「ヒッなにあれこわい」
「サンジやべェな、おれ輸血の準備してくるなー!」
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