タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/12/12
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「責任は、取る」
そう、いつもより強張った表情で起き抜けに言われた。ぽかんとしたまま、おはよう、ととりあえず呟いた私にもう一度同じ言葉を紡いでからどすどすと重たい音を立てて出ていったゾロにあくびを噛み殺して首を傾げた。寝ぼけ眼で訳が分かっていない私に説明をしてくれたのはウチの優秀なドクターで。いわく、能力者に攻撃をされた私は三日以上目を覚まさず眠っていて、能力者を見つけて散々にボコボコにした後に聞いた解除方法が、口付け、だった。
どこの眠り姫? 聞き終えた私がまず初めに思ったのはそれで、そしてゾロの言葉を思い出す。
「ゾロ、が、解除したの?」
私の疑問は、他に異常がないか集中してせっせと診察してくれているチョッパーには聞こえなかったのか宙に浮かんだまま彷徨って消えた。
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「ゾロが、解いてくれたの?」
「……そうだ」
検査の結果動いても構わないとドクターのお墨付きをいただいて真先に向かったのはゾロのいる展望台。ぶんぶんと重たい器具を振り回してトレーニングをしているゾロに問いかける。気難しい表情で重々しく頷かれて思わず苦く笑った。
「助けてくれてありがとう。でも私を助けてくれただけなのはわかってるし責任感じなくてもいいんだよ、それに私は意識なかったからした感ないし」
「……いや、お前が知らなくてもしたもんはした。責任は取る」
責任感の強いゾロのことは好ましく思うけど、だからってそんな責任は取らなくてもいいのに。展望台のソファに腰掛けて膝に肘をついて頬杖しながら頑なな返事しかしないゾロを見守る。言い出したら聞かないゾロに困り果ててしまった。
「キスくらい別に良いのに」
「いいのか」
責任感溢れるゾロをどう説得しようか目を伏せて考えていた私にゾロのどこか気の抜けた声が降ってきて視線を向ける。人間が持つものではない重さの器具を片手に、いつの間にか私の目の前に立っていたゾロに瞬く。重々しかった表情が削げ落ちてただただ不思議そうに私を見下ろしているから合点がいった。変に純粋な鍛錬マニアを、みんなでからかったんだな? 女の人の唇を奪ったのなら絶対に責任を取らなければいけないだのなんだの、面白がってからかいそうなのがウチにはたくさんいるし、たぶん私も当事者じゃなければ一緒にからかってたと思う。こんなふうに、からかい甲斐があるから。
「……いいのか?」
「いいんだよ、」
目の前で立つゾロに、気にしなくて、と頬杖を解いて笑いかけようとした瞬間、ゾロの大きな手が私の顎をがっつりと覆って目を見開く。
「へ、」
「いいっつったろ」
何度瞬いても目の前いっぱいに広がるゾロは幻なんかじゃなくて、今口に触れたのがゾロの唇だと分かって瞠目する。いいっつったろ、……いいっつったろ?
「いやそれはキスくらいで責任取らなくてもいいのにっていうその」
勘違いをしていたらしいゾロの言葉にごにゃごにゃと言葉を紡いでも、もう遅い。
キスをするのは二度目でもさっきまでは知らなかったゾロの唇の味に、ばくばくと心臓が高鳴る。だって一度目は私は知らなかった。知らなかったし、私の目を覚まさせるための善意だと分かっていたから、実感も湧かなかったし責任なんて取らなくていいと思っていたのに。二度目の今は、なんのために、
「好きな女がキスしても良いっつったら、そりゃするだろ。あと責任は取るからな」
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