タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/12/14


「サンジくんのそれは愛だもん」
「ふへ? ……ええ、ええ、おれァレディを愛してますよォ当たり前でしょウヘヘ」

 一瞬ぽかんとしてしまったけどレディの愛らしいお口から紡がれた愛溢れるお言葉にようやくおれの数々の愛の言葉が伝わったのかと体を溶かしながらもこくこくと何度も頷いて近寄る。ストップ、とでもいうようにレディが手のひらをおれの方へ向けて愛の奴隷なおれはレディの柔らかな手の指示をきちんと受け止めて従順に歩みを止める。

「サンジくんに愛されるのは嬉しいよ」
「エッ結婚する?!」
「うふふ、しない」

 甘やかに受け入れられればそりゃあすぐにでもプロポーズするべきで、なのにレディは受け入れてくれた笑顔のまま一刀両断におれを真っ二つに切って膝をついて項垂れた。

「なんでェ……」
「だってサンジくんの愛はちょっと違うんだもの」
「レディを愛する心は本当だよォ」

 信じてもらえないことに絶望してえぐえぐと泣きながらレディを見上げて言い縋る。泣いているおれを見て困ったように笑う姿も愛らしくて優しくて胸がぽかぽかする。困ったように笑うお姿もお美しい。
 膝をついてほぼ正座のような形で座り込んでいるおれの前にレディもしゃがみこんでくれて目線が合うことが幸せ。泣いていたことも忘れてへらへらと笑ってまた溶け出すおれが面白いのかくすくす笑う姿も可愛らしい。

「サンジくんの愛は平等でしょ? 私はね、サンジくんに愛されるんじゃなくて、サンジくんと恋がしたいの」
「……へ、」

 銃弾で心臓を貫かれたのかと思った。するりと顎髭を撫でられてメロリンする暇もなく、ぐるぐるとレディの言葉を頭の中で何度も何度も何度も反芻して、現実だと理解する。

「そういうサンジくんを好きになったから世界中のレディを愛しててもいいけど、私だけと恋をしてほしいの」
「どっ、えっ、へっ、な、えっ、」

 現実だと分かった瞬間に止まっていたと思っていた何もかもが動き出した。ばくばくと心臓が大きな音を奏でて呼吸が苦しくなるほどずきずきと痛む。こんな心臓の動き方は知らない。だってレディを見るととろとろにとろけて胸が温かくなる。幸せに包まれる。愛は偉大で痛むことなんてない。レディを見て苦しくなることなんてない、はずなのに。いつもはスムーズに動く口もぱくぱくと金魚のように開閉するだけで、悪魔風脚を繰り出す時にも感じない熱さが体中を駆け巡って今すぐ海に飛び込んでしまいたい。訳がわからなくてレディを見つめるだけのおれに、またふわりと甘く微笑んでくれるレディ。いつもと変わらないはずなのに、いつも以上に輝いているように見えて胸が詰まる。

「どうしたらサンジくんは私と恋をしてくれるの?」

 甘い声が耳を滑って、きゅううう、と変な音を立てた心臓が破裂しそう。