タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/12/22
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おれはレディに不埒な視線を寄越すクソ野郎どもを蹴散らす番犬で、恋人じゃねェ。待ち合わせ場所に現れたレディは学校にいるときとどこか雰囲気が違った。いつもいつだって頭のてっぺんから足の爪先まで可愛らしいのに、更に魅力的で輝いて見えて、一瞬何かの映画撮影かだと思ってしまったくらい。そんなレディとデートする権利をせっかく勝ち得ても、おれはただの付き添い。そもそもおれがデートって勝手に思ってるだけで、それだって虚しい。だって今日のデートの目的は、レディが他の男へ渡すプレゼントを選ぶことだから。「今度の日曜日に男の人へのプレゼント選ぶの手伝ってくれないかな?」どこぞのクソ野郎に贈るものかはわからなくても、頼ってもらえただけでうれしくて、一も二もなく頷いたおれは馬鹿かもしれないけど、でも後悔はしてない。だってこんなにかわいい私服姿を見れたから。
「ごめんね、お待たせ」
「んぜぇんぜん待ってないよォ!」
でもお鼻が真っ赤だよ、と申し訳なさそうに言われて、おっと、とマフラーに顔を埋めてそんなことないよと誤魔化す。皮膚は赤くなってるかもしれないけど、学校外で休みの日にレディと休みの日に会えるということがとても嬉しくて心は暖房入らずにぽかぽかで暖かった。今日の目的を思い出しては冷えて、それを追い出してまたどきどきして、冷えて、レディのことだけ考えてでれでれして、なんて忙しない脳内のおかげで時間が過ぎるのだってあっという間だったし。
「そんなことより制服姿じゃないレディもとっても素敵だ」
「ありがとう。サンジくんの隣を歩いても恥ずかしくないように一番お気に入りの服で来たの」
「えっ天使……?」
照れてはにかむ姿も、紡がれた言葉も、天国に登ってしまうかと思うくらいうれしいのに、今から買いに行くのは別の男への贈り物。おれにだってこんなにかわいらしく美しく愛らしいのにレディの心にいるのは別の男で、その男の前だと恋の魔法でもっと可愛くなるんだと思うと胸がずきずきと痛んで苦しくなる。
「ところでその、なにを買うのか大体の目星は決めてるの?」
うーん、と困ったように悩むレディに、他の奴への贈り物を選ばなくちゃいけないということ自体は悲しくて苦しいけど、悩む分だけこの最初で最後かもしれないデートを長引かせることができるかもしれなくて、そんな惨めな考えに心の中で小さく笑う。
「ナミちゃんがね……」
「ん?」
唐突に名前の出てきたナミさんに首を傾げる。レディに想われているクソ野郎の名前をあげるならまだしも、どうしていきなりナミさんのお名前が。
「ナミちゃんが、サンジくんへのお礼はデート自体がプレゼントになるって言ってたんだけど、さすがにそれだと申し訳なさすぎるから何か渡したくて。でもサンジくんって物欲なさすぎて全然なにも思い浮かばないから直接決めてもらおうと思って」
「え、?」
ただただ間抜けな音を発するだけのおれを見ても綺麗に笑うだけのレディに訳がわからなくなる。
「え、だって、他の男、え?」
「サンジくんにプレゼントしたいからって理由で誘ったら絶対遠慮するでしょ?」
「そ、そんなこと、そ、そもそも、なんで」
「いつも美味しいデザートお裾分けしてくれたりお世話になってるんだから、私にもたまにはお返しさせてよ」
ほら、行こう、と手袋越しに手が触れる。嬉しさを通り越して、いまだに訳がわからないまま混乱するおれは引っ張られるがままにレディの後ろをついて歩くことしかできない。
「今日はサンジくんがちゃんと欲しいもの選ぶまで帰らないから、遠慮しないでちゃんと決めてね」
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