タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/12/25
アオハル
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「ゾロ、帰ろ」
「おう、ちょっと待ってろ」
おれの部活がない日は迎えに来てくれる幼馴染に廊下で待ってろと顎で促す。はーい、と気の抜けた返事をして背中を向けた幼馴染に机の中のものを適当に鞄にしまって立ち上がる。廊下で待っていろ、と言って正解だった。
「なあなあお前ら付き合ってんの?」
「お前らにそれが関係あんのか」
下世話なツラを隠しもせずにたにたと大人数で寄ってきたにも関わらず、おれが一瞥してたった一言返しただけで狼狽える。仲間内で、や、その、だの情けない声を出し次の言葉をなすりつけ合う馬鹿どもを待つ必要なんてない。鬱陶しい気持ちを隠さず廊下に出た瞬間、教室内でのいざこざなんて聞こえていなかった幼馴染がにっこり笑って駆け足で近寄ってくるからくさくさした気持ちもすぐに晴れる。帰るか、と言えば、うん、と何が楽しいのかにこにこと笑顔を携えたままいつも通りおれの隣を歩く。
────お前ら付き合ってんの?
言葉は変われど何度も幾人にも聞かれた台詞を反芻して、せっかく晴れた気分がまた一瞬沈みそうになって腕を引かれた。なんだよ、と幼馴染を見ればくすくす楽しそうに笑いながら、おれの進行方向を阻んでいて眉を顰めた。
「ふふふ、まだ迷うの?」
「……うるせ」
何が楽しいんだか、にこにこ笑い続ける幼馴染に腕を引かれ促されるままに校舎を歩く。例えば付き合ってるなら、おれの鍛えた腕周りを一周しないその小さな手は腕を掴んで歩くんじゃなくて、手を繋ぐか、もしくは腕を組んで校舎内を練り歩くんだろう。付き合っていないから、この幼馴染は、まるでペットを散歩させるかの如く腕をリード代わりに掴んで歩いている。見たらわかるだろ。付き合ってねェってことが。見たらわかるだろ。おれだけが一喜一憂している馬鹿みたいな姿が。
だけどお前らにそれが関係あるのか。さっき吐き捨てた言葉をもう一度頭の中で繰り返す。付き合うだの付き合わないだの、おれとこいつの問題だ。お前らに何一つ関係がない。関係があるとしたらそれは、おれの敵になるということで、宣戦布告と受け取る。まあ一対一で話もできねェやつらが何人増えようが問題ねェ。問題ねェ、が、腹は立つから牽制はする。お前らに、なんの関係があるんだと。
「ゾロはほんとファンタジスタだねえ」
ぽやぽやしてる幼馴染はおれの腕をリード代わりに無害な犬のようなおれを散歩してる気分なのかもしれないが、いつ食べてしまおうかと虎視眈々と狙っている獣だといつになったら気付くんだろうか。もうとっくにお前以外はおれはお前しか眼中にないと気付いているのに。
独り言──当日に診断だけ回して翌日に書くというズルをしました。ワクチンでへろへろになってたときもそんなことやらなかったのに。でも可愛いお題だったから書きたかったんです許して。楽しかったです。
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