タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/06/06
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うちのキャプテンは憑き物が取れたかのように丸くなった。それもこれも、麦わら屋達のおかげ。キャプテンは全力で顔を顰めて否定するかもしれないけど、でもそんな表情になれるくらい心許していることは事実で、止まっていた時間が動き出したんだと思う。きっと、キャプテンの時間は子どもの時に止まってしまった。それを打破したのはキャプテン自身の力だけど、麦わら屋たちの温かさや強さや優しさに触れて、時計の針が動いた。私たちクルーだってきっと、きっと、キャプテンの針の支えにくらいはなれてた、はず。これ以上壊れないように、これ以上巻き戻ってしまわないように。針を動かすことはできなかったのにほんの少しヤキモチを焼いてしまうこともあるけれど、キャプテンが私たちクルーを大事にしてくれていることは知ってるから、焼いた餅を食べて腐ることはない。私たちはただ、キャプテンが幸せであればなんだって嬉しい。
なんてことを宴で酔っ払って訥々と語っていた。ペンギンや、シャチ、ベポ、みんな私の話を聞いてうんうんと頷いて、泣いて、同意して肩を組んで、キャプテンの幸せを願っていた。
はずなのに、組んでいたはずのペンギンの肩からするりと手が落ちて、もふもふに埋めていた顔が急にあかりに照らされて瞬く。あれ、寝落ちちゃったのかな。なんて呆けたことを思った私はとても馬鹿で、目の前にキャプテンの顔があって固まる。
「ギャッ」
「……あんなに熱のこもった演説をしておいて、ギャッ、とは失礼だな」
一生言いそうにない可愛らしくない悲鳴をキャプテンが復唱して固まる。シャンブルズでキャプテンの腕の中に移動させられたという事実だけは、驚きで酔いが覚めた頭で理解できた。勝手なことばかり言っていたから怒ったんだろうか。それにしたってなんでこんな鬼哭を抱くかのような距離。と、疑問に思えば理由は至極当然で、ベポとペンギンの間にいたはずの私の位置に鬼哭があって、ベポがぎゅうと抱きしめていた。
視線を戻せば、ぱちん、と深くどす黒かった復讐心が消えて子どものようにまっさらなガラス玉のような目に私が写っていて瞬く。
「影でこそこそ言ってねェで本人に言えよ」
「ワッ悪口じゃないです!」
「知ってる。聞いてた。熱烈だな。ほら、聞いてやるから」
どうぞ?とでも言うように穏やかに、だけれどきらきら輝くガラス玉にまっすぐ縫いとめられて、何も悪いことは言っていなかったはずなのに、キャプテンだって(少し悪どいけれど)笑って受け入れてくれているのに、私の口は素直に言葉を紡げなくなってしまった。
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