タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/06/11
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サンジくん曰く女神や天使に駆け寄るときや料理をするとき以外は猫のように丸まる背中がなんだか色気があって、好き。見聞色に秀でたサンジくんが私の視線に気付かないことなんて滅多にないから、その丸い背中を見られるのはとてもレアで、悟られずに盗み見ることができた日は占いで一位が取れたかのように気分が上がる。
流石に一日にそう何回も見られるものでもないから甲板でタバコを吸っているサンジくんの横に立つ。器用にタバコの煙をハートにくゆらせて私を見下ろすサンジくんを見ながら私も、んふふ、とニヤける。そんな私にハートにくゆらせていた煙を普通に吐き出して不思議そうに見つめながらもレディの機嫌が良いと場が華やいでいいね、だなんて優しく笑ってくれるからニヤニヤが止まらない。
「どうしてそんなに機嫌がいいんだい?」
「ないしょ♡」
「ウグゥかわいい」
背中を丸めてひとりどこか遠くを見つめているアンニュイなサンジくんも大好きだけど、こうして女の子と見れば誰にでもこうなってしまうサンジくんもかわいくて大好き。だからつい、かわいこぶってしまう。サンジくんは期待以上のリアクションを返してくれるからたまにチョッパーに怒られてしまうけど、だって誰にでもそうとは言え、好きな人がかわいいと言ってくれるのはやっぱりとても嬉しいから、つい。
呻きながらもタバコは吸い終えたのか、短くなったそれを処理してサンジくんの一番大切な両手が手すりに置かれたのを見る。遠目で見るとすらりと細く長い手は、こうして近くで見るとやっぱり男の人で節くれだっているし分厚いし、大きい。私がジッと見つめているのが恥ずかしくなったのかもぞもぞと所在無げにしていて、自分が見られることに耐性のないサンジくんがかわいくて小さく笑った。
今日の私がこんなに機嫌が良いのはサンジくんの丸まった背中を見れたからで、それを見ることができた日の運勢は誰にも負けないくらいきっと良くて、だからつい、いつもならしないことが頭にチラついて実行した。
今にも逃げ出してしまいそうなサンジくんの右手をぎゅっと握りしめて持ち上げる。えっ、と急な接触に戸惑うサンジくんにはじめて触る好きな人の手の感触にぽかぽかと胸が温かくなる。骨張って、分厚い感触をむにむにと楽しんでその大きな手の指先にちょこんと乗った小さくて短い桜色の爪がとても愛しくて、吸い寄せられるように唇を落とした。
「えっ」
「いつも美味しい料理をありがとう」
いつも美味しい料理をありがとうと思っていること自体は本当だけど、咄嗟に出た言葉にしてはとてももっともらしくてたぶん、きっと、誤魔化せたはず。
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