タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/06/13
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「サンジくんはタバコ、やめられそうにないねぇ」
のんびり呟かれた言葉にぎくりとする。レディ至上主義のプリンスとして、レディのお言葉にはなんにでも従いたいと思う所存であるけれど、それだけはどうしようもなくて視線を彷徨わせてしまう。
「おいしい?」
「レディは吸わない方がいいと思うよ、いや、吸ってるレディも素敵だけれど」
タバコの煙で蒸せてしまう愛らしいレディも、タバコを纏わせるセクシーなレディも、どちらも甲乙つけがたく素敵だけれど、まだ味を知らないレディなら知らないままでいい。百害あって一利なしって言うし。いや、耳が痛い話だほんと。誰が言い出したんだか。
「でも私、サンジくんの匂いは好きだよ」
「え、」
「だからタバコの才能あるんじゃないかな」
ねえ、試しに一本ちょうだい、と微笑んで細い手をおれに伸ばす姿は好奇心旺盛な少女のように可憐なのに、おれの邪なフィルターを通した彼女はどこか妖艶に微笑んでいるように見えてごくりと唾を飲む。
ねえ、それ、おれ以外に言っちゃダメだよ、勘違いしちまう。自惚れも甚だしい勘違いなのはわかっていても、男ってのはおれ含め下心しかない馬鹿で愚かな生き物だから。なめらかに辿る視線も、伸びる指先も、甘えるようにねだる声も、すべて、タバコに向かっているのをわかっていて、おれを求めていると思い込んでしまう。
「サンジくん?」
黙りこくったおれを不思議に思ったのか首を傾げておれを見つめる姿に、咥えていたタバコを下ろす。タバコをシンクに捨てるのに釣られた視線の隙を縫って、くるりとゆうに一周する手首を掴んでカウンター越しにレディを引っ張り上げる。驚いたようにまんまるく見開いた目におれの欲情しきった男の姿が映って、肌にまつ毛が触れそうなほど顔を近付ける。
「タバコの才能じゃなくて、おれをたぶらかす才能なら世界一だよ、プリンセス」
タバコの匂いじゃなくて、おれの匂いが好きなら、別におれでいいだろ?
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