タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/06/14
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紳士たるものレディーファーストは至極当然で、優先すべきは全部君だ。たとえ鬱陶しがられようとも、遠慮されようとも、レディを引き立てるのは紳士の務め。だからただ可愛く微笑んで甘受してほしい。
「あのねぇ、サンジくん。サンジくんは優しいんだけど」
「ええ?! 惚れた?! 待っておれにはもう心に決めた人が」
「惚れない。黙って聞く」
「はい」
腰に手を当てて呆れたようにおれを指差す我らが天使ナミさんの言うことを素直に聞く体勢を取る。
「女の子ってのはね、優しいだけの男には惚れないのよ」
「えっ」
どうして。優しくされたら嬉しいでしょう。いや別に下心があるから優しくしてるわけじゃなくて、レディがレディであるだけでこの世の優しさ全てを注ぎ込んでも良い存在だから優しくありたいだけだけど、どうしてそんなおかしなことを。
「優しくないだけの男もダメよ。でも優しいだけの男もダメなの」
「ど、どういうことかわかんないですナミさん……」
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あれから暫くナミさんのありがたいご指導は続いたけれど、結局おれが混乱しきって頭にクエスチョンマークしか浮かべなくなってしまったからかそんな体たらくなおれに呆れてどこかへ行ってしまった。難しい。優しいのは良いことなんじゃないのか。レディに優しくないヤロウは論外だ。ゴミだ。そんなヤロウは海の藻屑になっちまえばいい。
「サンジくん?」
「レディも優しいだけの男はきらい?」
「え?」
船べりに手をかけながら海を眺めてタバコを吸って項垂れているおれを不思議に思ったのか心優しきレディが隣に並んで声をかけてくれたのを喜べるほど混乱から立ち直れていなかった。だっておれは今、レディに優しくされてとっても嬉しい。更に惚れちまう。好きだ。優しいレディには落ち込んでいるらしき仲間の背中に声をかけるのは当たり前の行動だとわかってても、じゅうぶん好きになるのに、どうして男の優しさは女の子は惚れてくれないの。全部全部、君を優先して、優しくして、蝶よ花よと可愛がるのに。
「優しいだけの男には女の子は惚れないんだって」
「あ〜……そうだね」
同意されてしまって悲しみに額を手すりに打ちつける。つらい。なんでだ。レディには優しくすべきだ。落ち込むおれの隣にそっと寄り添ってくれる彼女に惚れてほしいからって、優しさを捨てる勇気なんてない。惚れられなくてもいい。優しくありたい。惚れてほしい。でも、傷付ける勇気なんてない。いいよ、わかった。仕方ない。惚れてほしいけど、でも優先すべきはやっぱり君の幸せだから、プリンセスのプリンスにはなれなくてもナイトだけはこれからも続けさせてほしい。心の中で願ってため息を吐く。手すりから額を離してそっと隣のレディを見ればぱちんと目が合って瞬く。なんだか気難しい顔をしている。どうしたの。
「……サンジくんは優しすぎるからダメ」
「ゔっ」
トドメを刺されて死ぬかと思った。というか一瞬死んだんじゃないか? 大丈夫? 魂戻ってきてる? 幽体離脱してねェ?
「優しすぎるからダメ。優しすぎるのがサンジくんの良いとこだけど、これ以上サンジくんのファン増やしちゃダメ」
ダメ、と言われているのに褒められている気がして、でも優しいだけの男は惚れられないらしくて、だからやっぱりこれはトドメを刺されているのか。わからない。
「サンジくんは優しいだけの男の人じゃなくて、優しすぎる男の人で、……これ以上ライバル増やさないで」
真っ赤に染まったレディの表情に目を見開く。つまりそれは、どういうこと、
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