タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
お題関係ない小ネタ
2021/06/14


「やっぱり天使だったんだ……」
「ん????」

 レディの涙の音すら聞き逃さないおれが、レディの言葉を聞き逃すはずがない。なのに聞き返してしまったのは、ちょっと言葉の意味が分からなかっただけで。

「二年前からずっと思ってたの。サンジくんは天使なのかなあって」
「ん?」

 名指しされてもクエスチョンマークが外れない。レディはそんなおれを構わずじいっとおれを穴が開くほど見つめていて、本当ならものすごく嬉しいその視線がなんだか今は、ちょっと、そんなに見ないで……。

「……やっぱり天使だったんだね」
「ちがうよ????」

 うんうん頷かれてしみじみ呟かれた言葉にようやく意味のある言葉を返せた。ちがうよ? レディの方がよっぽど天使だよ?

「はじめて会った時から疑ってたの」
「疑ってたって……」
「きれいな金色の髪にお皿みたいに綺麗な肌にガラス玉みたいな目に天使の輪っかはなかったけど、代わりに眉毛がくるんって巻いてて、すっごく華奢なのに強くって賢くって優しすぎて、天使なんじゃないかってずっと思ってたの。でも私達と同じように歩いてるし、優しすぎるだけの天使みたいな人なんだなって納得してたのに、空飛んだらもうそれは天使だよ」
「いや、だから、」

 滝のように降ってくる美辞麗句になすすべもない。レディの言葉を遮りたいけど、否定を受け取ってもらえないならもうどうしようもなくて。

「お髭生やした天使様は初めて見るけど、似合うね」
「天使じゃねェけど髭褒めてくれてありがとね……」

 すっきりしたように笑うレディに苦く笑った。