タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
お題関係ない小ネタ
2021/06/15


 さわさわと風が靡いているのか髪が揺れている気がした。でもそういやトレーニングを終えてそのまま展望室で眠りについたから風に靡くわけもない。違和感をそのままにしておくことができなくて片目を開いた。目の前に人間の顔がドアップでうつれば、悪意のかけらなんてひとつもなくとも驚く。驚いたからといって特にリアクションを表に出すわけではないが。そんなおれを見てつまらなそうにちょっとは驚いてほしいと唇を尖らせながら拗ねる女に呆れる。

「何してんだ」
「頭撫でてる」
「なんでだよ」
「撫でたくて」

 そうかい、と会話を切り上げた。こういう時の女は厄介だ。絶対に理由があるはずなのに、頑なに言わない。そしてそれを察せないおれを呆れる。はなから答えを言えば済む話なのに回り道をしたがる。意味がわからない。
 眠っているときは風がそよいでいるのかと思うくらいだった感触が、おれが目を覚ましたことによって開き直ったのか遠慮なく触れている。おれの頭の横に座って、さわりさわりと頭を往復している手に欠伸を漏らす。

「寝ていいよ。頭撫でてていい?」
「もう勝手にやってるだろ」
「うん。でも一応許可取ろっかなって」
「勝手にやってろ」
「ありがと」

 おれの答えは正解だったのか、嬉しそうに笑うのを横目で見て、目を閉じた。楽しそうな鼻歌まで聞こえてきた。本当、何がしてェんだかわかんねェ。でもまあ、良い夢は見れそうだ。