タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/06/21


「……似合わない?」

 あまりにも私がじっと見つめるからかとうとう根を上げてしまったサンジくんが眼鏡に手をかけてそっと呟いて頬を緩める。

「似合わないことはないんだけど、見慣れないなと思って」

 サンジくんはこの船の男の人の中で一二を争うおしゃれさんのはずなのに、装飾品をつけてる姿はあんまり見ないから。

「ちょっとこれもつけてみて」

 えっ、と急に椅子から立って近付いた私に一瞬メロリンするのを忘れたサンジくんの背後に立って、私がつけていたネックレスをしゃらんとかけてみる。またサンジくんの正面の椅子に座ってじっと眺める。

「うーん。かわいい」
「そりゃレディのネックレスだし……」
「サンジくんは線が細いからレディースも似合うよ」

 私たち女の人が放つ言葉は大概喜ぶサンジくんでも私の言葉には少し複雑そうに顔を歪めていて思わず頬を緩める。もう一度立って、もう何度も立つのは面倒だからサンジくんの横に座って腕を持ち上げる。なぁに、と近くなった距離が嬉しくなったのか柔らかい言葉に笑いながら今度は私の腕につけていたブレスレットをするりと通した。

「楽しい?」

 うん、と頷いて私の耳につけていたイヤリングをサンジくんの柔らかな耳たぶにはさむ。くすぐってェと肩をすくめたサンジくんに楽しくなってきたけれど、部屋に戻ればたくさんのアクセサリーがあってもきっとこの場を去ってしまえばサンジくんは逃げてしまうし、今私が身につけているアクセサリーだけで我慢しなくちゃいけない。本当はもっともっと飾りつけたいんだけど。ヘアアクセサリーもつけちゃおうかな、なんて頭をちらりと見てみたけどサンジくんの月のように綺麗なまんまるな頭はそれだけで完成されてる気がして、うーんと考え込む。

「レディ、満足した?」
「うーん、……あっ」

 そうだ、まだ指輪があった。するりと自分の人差し指から細めの指輪を外してサンジくんの手をもう一度借りる。
 今までのアクセサリーみたいに、するん、と通るはずだったそれが、第一関節でかつんと止まる。あれ、と私が首を傾げる前にサンジくんの手が私の顎を掬って持ち上げられて自然と視線が絡む。

「いくら線が細く見えてもおれは男だよ、レディ」