タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
お題関係ない小ネタ
2021/06/24



「うぎぃ」

 ひどい唸り声に思わず笑ってしまった。私が背後にいたことに気付かないくらい憎しみを込めて手配書を睨みつけていたらしいサンジくんが驚きに振り返った顔を見て微笑む。途端に破顔して憎々しい声?なんのこと?って思うくらいにこやかに私にふらりふらりと寄ってきてくれる様がとても可愛くて、つい、意地悪をしたくなる。

「サンジくんの手配書、かわいいよね」
「……ぅええ、あんな情けないツラがァ?」
「サンジくん女の子前にしてる時だいたいアレだよ。私はかわいくて好きだけど」
「エッ好き?! …………いや、うん……まあ、おれがあの手配書イヤなのは名前のことだから……」

 手配書と同じ顔をして興奮したかと思えば、しばらくして落ち込み出したサンジくんに、あー、と声を漏らす。ヴィンスモーク・サンジ。ジャッジの。ジェルマの。そう言われるたびにおれの父親は赫足のゼフで、おれは黒足のサンジだ、とキレ散らかすサンジくんの姿を最近はよく見る。いつかトーンダイヤルに録音してゼフさんに聴かせてあげたいな、なんて思ってることは内緒にして、もうひとつ常々考えていることを言葉にしようと口を動かした。

「じゃあ私と結婚する?」
「え」

 ぽかん、と顎が外れるんじゃないかってくらい呆けて私を見つめる姿に頬が緩む。

「海軍にも知られるくらい盛大な結婚式して、私に婿入りしてくれたら名前変えられるよ」

 え、あ、と言葉にならない音だけ出すサンジくんににっこり笑った。