タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/07/05
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「おはよう、レディ」
寝惚け眼で目を擦りながらキッチンに入る私とは違って、いつも通りスーツを着てお髭も髪の毛も何もかもがビシッと決まったサンジくんに少し恥ずかしくなる。おはよう、と返す言葉すらもにょもにょとまだ寝ぼけていて、そんな私を見て微笑ましそうに目を細めて笑う姿に照れてしまう。好きな人にはいつでも完璧な自分を見せたくても共同生活をおくる以上いつでも完璧なんてできるわけなくて、でもいくら仕方がなくても恥ずかしいものは恥ずかしい。
「コーヒーをどうぞ、プリンセス」
よろよろとカウンターに辿り着いた私にいつも通り手際良くそっとコーヒーを差し出してくれる。挽きたての香りに脳が刺激されてほんの少しずつだけど目が覚めはじめる。カップを持って喉を潤しながら朝ごはんの準備をしているサンジくんをぼんやり眺める。働き者のサンジくんは手際良くきりきり働いていて見ていて飽きない。朝一番に起きて、夜遅くに眠るこの船一番の働き者なのにいつもピシッとしていてすごいなあ、なんて。
「サンジくんは寝ぼけたりしないの?」
邪魔をしてはいけないといつもはただ頭が覚醒し切るまでぼんやり朝ごはんの準備を眺めるだけにしていたのに、長年の疑問がついにぽろりと口からこぼれてしまった。私の質問に手を止めて瞬く姿に口をもごつかせる。
「そりゃまあ、人並みには」
「でも一度も見たことないよ」
突拍子もないこと言って申し訳ないな、なんて反省していたのに、人並みには、だなんて答えるからつい食い下がってしまった。
「レディにそんな姿見せらんないよ、かっこわりィだろ」
おれはプリンセスの前じゃいつだって紳士なの、と笑う姿に唇を尖らせる。
「私もサンジくんが寝ぼけてるとこ、見たい」
思いの外拗ねた声音になってしまったけどもう取り繕えなくてそれこそ寝ぼけたせいにする。ぱち、とゆっくり瞬いたサンジくんの雰囲気が変わってうっそり笑ったから驚いて、ごくん、とちまちま飲んでいたコーヒーを全て喉に流してしまった。
「一緒のベッドで眠ったら、眠る前のおれも、眠った後のおれも、かっこつけれねェで寝ぼけてるおれも見られるけど……どーお?」
太陽が燦々輝く朝一番に似つかわしくない低く色っぽい声が肌を撫でて固まる。朝日が煌めく中、ベッドの上でどこか乱れた髪型のサンジくんの大きな手が私の髪の毛を撫でる姿が脳裏に浮かんで眠気が吹っ飛んでしまった。
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