タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/07/07


「あのう、キャプテン」
「なんだ」

 今から問うことを思って恐る恐る声をかける。だけどあまりにもいつも通りのキャプテンの様子に、思い浮かんでいた恐ろしい想像は勘違いだったようで僅かにホッとして最近の懸念を相談しようと口を開く。

「最近、見た目は変わってないのに体重が5キロくらい落ちてて……特に体に不調はないんですけど検査した方がいいかな、って思いまして」
「……ああ」

 私の言葉に何か考えるように難しそうな表情で視線を上にそらしたキャプテンにまた不安が募る。やっぱり不調はなくても医者的に危ないことなんだろうか。

「大丈夫だ」

 不安に眉を垂れさせた私に気付いたのか視線を戻していつも通りの表情になったキャプテンにほんの少し心配が薄れる。キャプテンに大丈夫だと言われれば、大丈夫な気がして。

「おれが保管してる」

 やっぱり頼りになるなあ、一瞬でも疑ってごめんなさい、なんて感動に打ちひしがれていた心が一瞬で凍る。今なんて言いました?

「お前の臓器は毎日きちんと健康だ、心配するな」

 固まった私を見て見当違いな慰めを発した言葉はただの追い討ちで、最初に想像していた恐ろしい勘違いが勘違いじゃなく事実だったことを知る。
 キャプテンが、私の臓器を切り取って、どこかで保管してる。

「なんで??」

 あまりのことに敬語も忘れて素直な疑問が溢れた。そんな私を見て、いつも不機嫌そうな表情が無垢な子供のようにそれこそ不思議そうに変わって混乱する。

「定期検診も大事だが毎日見れるならそれに越したことはないだろう。安心して長生きしろ」

 なんでそんなわかりきったことを聞く、と言わんばかりのキャプテンに、もう何も言えなかった。