タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
これのロー視点
2021/07/07


「最近、見た目は変わってないのに体重が5キロくらい落ちてて……特に体に不調はないんですけど検査した方がいいかな、って思いまして」
「……ああ」

 緊張の面持ちで近寄ってくるものだから何かトラブルにでも巻き込まれたのかと一瞬胸の内に翳りがよぎった。だから言われた内容にほっとして、思考を巡らせる。朝診察した時にはどこの臓器もいつも通りで何も変わりはなかった。思い出していた間を不安に思ったのか情けない表情になっている姿にバカだなと思いながらも大丈夫だ、と安心させる。なんせおれが保管して、毎日朝晩診察しているんだから。
 なのになぜか更に不安げな表情を浮かべる姿に不思議に思う。医者の言葉を信じられないのか。そんなはずはないだろう。この船のクルーはみな、いやでもおれの腕を信用している。

「お前の臓器は毎日きちんと健康だ、心配するな」
「なんで??」

 だから重ねて言葉を紡いだのに余計に混乱に陥りはじめた姿に訳がわからなくなる。いやだから、健康だって言ってるだろ。何を不安がることがある。

「定期検診も大事だが毎日見れるならそれに越したことはないだろう。安心して長生きしろ」

 キャプテンの、医者の言うことを信じろよ。
 わかったのかわかっていないのか、こくんと頷きながらも呆然とおれに背を向けて自分の部屋に戻る姿を眺めて考える。あいつ、何をそんなに。しばらく考えて、たぶんきっと、一番肝心なことが頭から抜けていたことに思い至る。
 ────そういえば臓器全部取ったのあいつに許可取ってねェな。やべェ。