タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/07/12
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いつも私が助けてもらってるように、私もクリマタクトを振り回してあの子を取り戻す側に立つ。きゅ、と唇をかみしめて、だけど私たちを信じているあの子はまっすぐ前を見据えている。私たちは普通の人間で、強靭な肉体も強い心も持ち合わせていない。あの子の気持ちがよくわかる。喉に突きつけられたナイフは怖くてきっと足はがくがくと震えているしほんの少し小突かれてしまったら虚勢なんて吹っ飛んでしまうくらい脆い気持ちで立っていて、それでも涙を流さずまっすぐ前だけを見つめられるのは、私たちを信じてくれているから。絶対に助けると、信じているから。
「ナミ! 行け!」
ルフィの力強い声が私の背中を押して、ルフィの柔らかな肌が私を包み込んで宙へと飛んだ。船長の突飛な行動はいつも私たちを振り回すけど、それが悪い方向に進んだことなんて一度だってない。だけどまさか私のこと投げるなんてあのバカ! 起きてしまったことは仕方がないからと泣きそうになるのをどうにか堪えて空中で体勢を整える。浮遊感に心臓を縮こませながらしっかりクリマタクトを握りしめてあの子のいる場所を視界に入れれば、さっきまで血が出そうなほど噛み締めていた唇はほどけてぽっかりと間抜けにあいていてひたすら落ちる私を見つめている。目を大きく見開いたからか涙は乾いていて落下に怯えていた私の心も晴れる。あんたの涙は宝石にはならないけど、笑顔ならそれだけの価値があるから、だから、あんたはずっと私と一緒に笑ってて。硬く握りしめていたクリマタクトを力一杯振り下ろした。
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