タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/05/19
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この船の人間に振り回される星のもとにでも生まれたのか、とげんなりしそうになる。だが、この船の連中のおかげでそれ以上に救われているのも事実。何年も思い続けた復讐を遂げられたのも、凍てついた心を少しずつとかしてくれたのも、この船の連中に振り回されたからだ。きっと、こいつらとは違う、もっと御し易い、計画通りに動く奴らと同盟を組んだところで、復讐は成功しなかった。助かったのは事実、感謝もしてる。だが、おればかりお前らに振り回されるのもごめんだ。おれも、お前らを振り回したっていいだろう。
ROOM、とひっそり呟いたのをギョッと何人かが振り向いた。けれどもう遅い。シャンブルズ、と唱えたときには目を白黒させた女がおれの腕の中にいて、唇を奪う。何が起きてるのかわかっていない姿に、唇を奪えた高揚感と、安全牌として全く意識すらされていなかった事実に苛立つのとが交互に胸中を走る。そこかしこで武器を取り出す連中を鼻で笑いながら、ぺろりと赤く小さな唇を濡らす。
「今なら死んでもいい」
好いた女の唇を奪えた達成感に、思わず浮かれた男のようなことを呟いてしまって笑う。
「お望み通り死ね!」
「まずは告白からでしょーがケダモノ! ウチの大事なクルーを返して!」
想像通り女と見れば誰でも大事にする男が吠えて、金で味方に引き込み外堀から埋めるのに協力させようと思っていた女がクルーに関しては案外金で動かなそうだと判明して、やっぱり計画通りにいかない船だと内心舌打ちをする。黒足屋が吠えるのは想像通りで、けれどこの腕の中に女がいる限り安易に手を出してこないのもわかっている。唇を奪われた女は未だに自分に何が起きたのか判別がついていないようでただただ目を見開きおれを見上げている。気分が良い。そうだ、おれだけを見ていれば良い。
「無理矢理なんて、いけない子」
守銭奴の女の反応にこれからの計画を立て直さねば、なんてにやにやしつつ考えていて、もう一人の女の動向を気にするのを忘れていた。クラッチ、と囁くような声で、けれどしっかり急所の首を的確に締め上げるのに気付くのが遅れて、意識が飛んだ。
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