タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2022/06/03


 今日もゾロは血生臭い。

「……なんだよ」
「そろそろお風呂入ったほうがいいよ」
「あー……三日前に入った」
「ばっちい!」

 思わずオブラートに包む暇もなく叫んでしまったし、反射的に鼻をつまんで距離も取った。まさかそんなにとは思わないでしょ。いらんこと言った、と言わんばかりに顔を顰めたゾロだけどその顔になるのは私の方だよなんで被害者面してんの。

「さっきチョッパーがウソップの新作パチンコの餌食になって粉まみれになってたから一緒に入っておいで」
「なんで」
「くさいから!」

 くさくねェ、といつものように芝生に座り込もうとしたゾロの背中に回り込んで腕を突っ張る。うんともすんとも言わないのは分かってる。ゾロの気分で突っ張った私の肘が変な方向に折り畳まれてしまうかもしれない瀬戸際なのも分かってる。それでもやっぱりお風呂には入ってほしい。肘が折り畳まれそうになってでも背中に回った私の覚悟に胸を打たれてくれたのかものすごいため息を吐きながらもお風呂場の方へ足をすすめてくれたゾロに私も安堵の息をついた。

「はー……めんどくせ」
「めんどくさくない!」

  ▼▼

「風呂」
「ウワッちょっと?!」

 ぼんやり寝転んでいたのに急に体が浮いて担ぎ上げてきたゾロに抗議をしても意味はなくすたすたと歩かれる。べちべちと背中を叩いても痛くも痒くもなさそうだけど抗議はしたい。

「ゾロってば!」
「だから、風呂」
「やだ!」
「やだじゃねェだろ、昔はお前が入れ入れってうるさかったじゃねェか」

 三日もお風呂に入らなくていつも血生臭かった二十年前のゾロにはそりゃあ迷惑かけられたから何度も何度もしつこく言ったけど、でもそれは二十年前の話で今じゃない。だって、

「さっき入ったでしょ!!」

 大きな声で叫んでも風呂風呂〜と楽しげに笑うゾロの肩から逃げられない。べちべちと叩き続けるのも疲れて項垂れてゾロの背中の筋肉にべったりと頬をつけても汗臭さなんて微塵もない。だってさっき入ったばっかりだから。ゾロから私とお揃いのボディーシャンプーの匂いがする。だって一緒に入ったから。眠りに付く前に汗を流したから。

「もう一回、だ」
「やだ!」
「やだじゃねェ」
「そんなに入りたいなら一人で入って!」
「お前と入んのが楽しいんだろ。風呂の楽しさを教えたのはお前なんだから、責任とって付き合え」