タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/06/11
⚠️モブ男とデートしてます
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「フられちゃった」
「ッ、ッ……!」
はーあ、と膝を抱えて座り込みながらため息をつく私を心の底から慰めたいのも本当で傷付いた心を喜びたいわけではないけれど世の中のレディのひとりが毒牙から逃れられたことに対して喜び踊りたいのも本当。そんな複雑な気持ちをなんとも微妙な表情で表すサンジくんに私の悲しみも持続しなくて思わず笑ってしまった。
「サンジくんはほんと、ものすごく顔に出るねえ」
けたけたと笑う失礼な私に慰める必要がなくなって喜びの表情に集中できたサンジくんが嬉しそうに私に寄り添うように隣に座るのを膝に頬を乗せて見つめる。
「良い感じだと思ったんだけどなあ」
「……ん?」
「最初から最後まで、本当に良い雰囲気だったの」
「……」
「でもそう感じてたのは私だけだったみたい、……みんなサンジくんみたいにわかりやすかったらいいのにね」
なにがだめだったのかなあ、手を繋いで歩いていたときのペースが背が高すぎる相手だったから遅すぎて負担になっていた? それともバーで頼んだカクテルが可愛くなかった? もしくは酔い覚ましにした散歩で腕を組んだのが距離を詰めすぎてだめだった? サンジくんに少し癒されて笑ったけど思い出せばやっぱり悲しくて膝に顔を埋めて昨日のデートを思い返しながら細かいあれやそれやに反省してもフラれた事実は変わらない。
はあ、とため息をついた私になんの反応も返ってこないのが不思議で顔を上げる。まあでもさっきも嬉しさと悲しさが無い混ぜになってなにも言えなくなっていたからまたあの複雑な表情を浮かべておろおろと私を見つめているんだろうなと思ったのに、ぱちんと目が合ったサンジくんはただまっすぐに真剣な表情で私を見つめていて息を呑む。
「おれ、わかりやすいかな?」
「……さ、んじくん、は、……うん、わかりやすいよ、すごく」
うん、と頷いたのに、今のサンジくんのことはわからなくて言葉尻があやふやになる。わかりやすい、はずなのに。
「じゃあ今おれが考えてること、わかる?」
「え、と」
いつもなら戸惑いに言葉を詰まらせる私を見ればすぐににっこり笑って言葉を引き継いでスマートに会話を続けてくれるサンジくんが、きゅっと唇を引き締めたまま私を見つめ続けるからどうにか頭を回転させる。
「……私がフられたことが嬉しくて、でも私が悲しんでるところを見るのは心苦し、い?」
だけど結局絞り出せた言葉は一番最初にわかったサンジくんのことで、きっとこれは正解ではあるのは分かっていても今さっきサンジくんが問いかけてきた質問の答えにはなっていないということが、わからないなりにわかってしまって語尾が萎む。
「そうだね、正解だ」
頷くサンジくんは静かに笑っていて、その真っ直ぐな視線に耐えきれなくて私の視線は泳いでしまう。
「だけどおれがどうしてそう思うかをもう少し考えてくれるとうれしいな」
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