タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/06/14
⚠️現パロ
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「好きだ、付き合ってくれ」
学生時代、卒なくなんでもこなして女の子にモテていた男が医者になっていた。ただでさえ学生時代もモテていた男が引く手数多な職業に就いていて、その医者が同窓会で名前しか知らないような女に告白をする、なんてことがあるだろうか。いや、ない。一夜限りの関係目的の告白だろうかと首を傾げて、体目的のわりには大真面目な告白だなあとお酒に緩んだ頬が思わず上がりそうになるのをこらえて目の前のトラファルガーくんをバレないように上から下から眺める。正しくお酒に騒ぎたいチームと、静かにお酒で遊びたいチームで自然と別れ、今現在もそっと会場を抜け出すひと組の男女の背中がトラファルガーくん越しに見えた。あのよくある光景に混ざっても痛い目は見ないだろうか。学生時代に別に女性関係で悪い噂を聞いたことはなかったし、今日だって女の人を無碍に扱うような態度は取らなかった。まあ一夜限りのお誘いはするけれど他の人と違ってトラファルガーくんには医者という立場があるだろうから、きっと面倒なことにもならなそうだし一夜限りのお相手候補としては好条件だと思う。私にも今は特に操立てする彼氏もいないし、同窓会に羽目を外してもいいかな、と結論を出して視線を戻す。
「いいよ、」
「……、ほんとか」
トラファルガーくんの相槌に、うん、と言おうとして喉が引き攣った。医者の生活は多忙なのか、ほんの少しひどい隈が濡れたように光って固まる。隈を濡らしたのは水、で。雨も降らない室内でのその液体は、目から流れる涙でしかない。トラファルガーくんが、泣いている。
「ありがとう、幸せにする、絶対に」
涙に濡れる声が震えて真摯に向けられた言葉に胸に直接ナイフを突き刺された感覚に陥る。どうしよう。同窓会特有の一夜限りのお誘いなんかじゃなかった。目の前の男の人はただ真面目に私のことを好きで、告白してくれて、にも関わらず私はそれを軽い気持ちだと判断して。返事を間違えた。真面目な気持ちにはきちんと真面目に返さなければいけなかったのに。
「ご、」
めんなさい、と言うタイミングはもう今しかなかったのに仮面のように貼り付いたしかめっ面しか見たことのなかったその顔が涙を流しながら柔らかく綻んだから、言葉が喉につっかえて出てこなくなってしまった。不誠実でしかない私にただただ誠実に愛を伝えてくれたトラファルガーくんに、どう償えばいいのかわからなくて酔いも冷めて目の前が真っ暗になった。
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どうしよう、と言葉にせずともわかるその表情すら愛しくて、ラミにもっと愛想良くしたらいいのにと時折引っ張られても微動だにしない頬がだらしなく緩む。簡単に頷かれるのがわかっていたくせに、それでも感極まって涙が出てしまったのは想定外だった。
酒に酔って判断がいつもより鈍っているところに付け込んだ。緩くても、真摯な気持ちには真摯に返す女だと知っていた。だからこそ同窓会で告白だなんて遊びだと勘違いできるようなシチュエーションで本気の告白をした。おれは本気で、お前が勘違いをすればそれでよかった。勘違いせず本気だとわかればなんのチャンスも掴み取れずにただ真摯に断られるだけだとわかっていたから。だから、わざと勘違いさせたんだ。お前がおれのことを好きじゃないなんてことはもとより承知の上だ、そこまで悲壮な表情をしなくたっていい。だけど幸せにするという言葉に嘘はないから。もう二度と手放せなくて自由なお前には窮屈な思いをさせるかもしれないけれど、それ以上に幸せだけを感じられるように努力するから、だからどうかおれのことを好きになってくれ。
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