タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/06/15
⚠️夢主が懐いてるのはゾロ
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「今日もレディは恥ずかしがり屋さんでかわいいなあ」
仲間になってふたりきりでまだまともに話をしたことがないレディを見つめて頬を緩める。見ていることがバレてしまうと隠れてしまう照れ屋さんだからレディに勘付かれないように横目でちらちらと覗き込む。レディ同士は気兼ねないのか、控えめだけど楽しそうににこにこと笑ってナミさんやロビンちゃんにひっついているのも愛らしい。ただムカつくことに、なぜか一番そばにいる確率が高いのがあのマリモ野郎なのはなんで。そいつ一番ケダモノで危険で、麗かなレディにとって恐怖の対象だと思うんだけど。なんで懐いてるの。ねえ。
せっかく女神の集いで目の保養だったのにレディはなぜか一人野生児のそばに近付いてむさ苦しく筋トレをしている姿をどこか楽しげに眺めていた。ぎりぎりと歯軋りをしながらレディを盗み見ていたせいで背後に近付くナミさんに気付かず背中をツンとつつかれて崩れ落ちる。呆れたようにおれを見下ろすナミさんも美しいけれど、今その哀れみの視線はいつも以上に心に刺さる気がして思わず視線を逸らしてしまった。
「あんたまだあの子と話せてないの?」
「ウグゥッ」
視線を避けても言葉のナイフが突き刺されて呻く。
「……おれ、そんなに怖いかな…………あの凶悪面のマリモからは逃げないのに」
言葉にすると余計に悲しくなって、ひぐ、と喉が引き攣った。頭上にナミさんのため息が降ってきて落ち込んでも、マリモとレディが楽しそうにしてる事実は変わらない。
「……あのねえ、サンジくんはちょっと気を遣いすぎるのよね」
「……?」
褒められているはずなのに、ナミさんの言葉は刺々しくてそれが不思議で顔を上げる。
「察しが良すぎるのよ」
「……ありがとうございます……?」
「褒めてないわ」
次いで更に褒めてくれたナミさんに訳がわからないなりにお礼を言って、否定される。混乱しきって涙も引っ込んでただただナミさんを見上げれば大きなため息と共に人差し指を眼前に突きつけられた。
「あんたがしたいのは何?」
「……れ、レディと、おしゃべり……?」
「わかってるくせに、なんでわからないのかしら。あの子はゾロから逃げないんじゃないわ、サンジくんがあの子を逃がしてるのよ」
言われた言葉を理解できなくて瞬くだけしかできないおれの眼前に突き出された指が、マリモとレディに向けられて反射的にそれを追いかける。見てなさい、と言われてレディを見守る。小さな口を開いて、閉じて、を繰り返し気恥ずかしそうに困っている姿はよく見かける光景で、なのに目の前に立つマリモはそれに気付いているくせに串を振り下ろし続けながらただ見ているだけ。レディが困っているのを無視している野郎に思わず眉根が寄る。男なら困ってるレディに手を差し伸べるべきだ。助け舟を出そうと思わず立ち上がったおれにナミさんが黙って見てなさいと叱りつけるから足を凍りつかせる。どうして。だってレディが困ってる。目の前に立つ男があいつじゃなくておれだったら、気まずそうにしているレディの言葉を引き継ぐし、理由がわからないならせめてこれ以上困らせてしまわないように、デザートやドリンクを差し入れて女神たちのもとへ帰したり、……そう考えて、思い至る。さっきナミさんが言った、おれが逃がしてる、というのはまさか。は、と目を瞠った瞬間、レディの開いて、閉じて、を繰り返していた口が言葉を紡いで、目の前の男が串を振り下ろすのをやめてそれに応えたのが見えた。困ったように垂れていた眉が嬉しそうにほどけて更に言葉を紡ぐ姿に瞬きをすることを忘れてしまう。
「あの子の勇気をくじいていたのはサンジくんの優しさよ」
ナミさんの優しく諭す声に、返事ができなかった。
「次にあの子が目の前で困った顔を浮かべても、頑張って我慢して待ってなさい。あの子だってあんたに話しかけたくて頑張ってるのよ」
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