タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/06/19
⚠️ウソップ視点
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「おい、……おい、……おい、ナミ!」
「なによ!」
「何回も呼んでんだろ!」
「何回も呼ばれてないわよ! 一回! 言っときますけど私は一回で返事したからね」
ナミの剣幕にゾロが呻いたのが聞こえておっかねえと心の中で肩をすくめた。機嫌が悪かったのかものすごい剣幕に恐怖を感じたけど、ナミの言うことはもっともだ。周りにたくさん人がいるのに名前をきちんと呼ばず「おい」で目当ての人物が振り返るわけがない。まあおれは何度目かは知らないがゾロの苛立ちのこもった声におれか?と思って振り向いてしまったけど。むっつりと、おれは悪くない、でも一回しか呼んでなかったか?と記憶を遡るゾロは結局何の用でナミを呼び付けたのかわからずじまいだった。
だから、おい、であんなにキレられたゾロを昨夜見たばっかりだからか余計に、おい、とラウンジに入って早々放たれた言葉に反応してしまって顔を上げた。おい、と人を呼びつけて昨日あんなにブチギレられたのに懲りてねえんだなあ、なんて笑ったのに。
「おい」
「なあに」
「あれ」
「はい」
「ん」
いやいやいや待てよ何? めちゃくちゃスムーズじゃねェか。おれは昨日の事件を知っているから、おい、の一言で懲りねェなァと顔を上げて一部始終を見れてしまったけど、何も知らないチョッパーなんかおれの隣で目をぱちくりさせてゾロの声がした気がするのにもういないぞ、声が聞こえたのは気のせいだったかな?と首を傾げてしまうほどの一瞬のやり取りでラウンジから消えたゾロに唖然とする。何今の。
「おいおいおいおい」
ハッと意識を取り戻してゾロと会話(あれは会話か?)をした仲間にばたばたと近寄って声を掛けたのにゾロが出て行ってから雑誌に目を戻した女はおれの声に反応すらせず文字を追い続けている。おいなんでだよ。ゾロの短く誰に向けているかわからないおいにはあんなに素早く反応したくせに隣に駆け寄って座り込んで何度も紡いだおれの声に反応できないのはどういうマジックなんだよオイ。全く気付いてくれないことに落ち込みながら肩に手をかけて揺さぶればようやく面倒くさそうに視線を上げられて問いかける前からおれの繊細な心臓が傷付いてしまう。
「なに、私?」
「おめェしかいねェだろ」
「チョッパーもいるじゃん」
「それはさっきもだろぉぉお?!」
なに、うるさ、と眉を顰める姿に挫けそうになる。
「ゾロにはあんなに早く反応したじゃねェか」
「? だってゾロ、私のこと呼んでたんだもん」
「呼んでねェよ!」
あれ、そうだっけ?と首を傾げて記憶を辿る姿は昨日ナミに怒られて考え込んでいたゾロにそっくりで気が抜けてしまう。
「……おい、とか、あれ、とかでよくゾロの言いたいことがわかるな」
問い詰めて謎を解明しようと思ったのに、似たもの同士のふたりに呆れてしまって気がそがれてため息をつきながら肩から手を離す。
「だって好きだもん」
解明する気がなくなった瞬間に、簡潔な答えをぶつけられて思わず笑った。
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