タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/03/13
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つるんとした金色の頭を一度撫でるだけで一瞬で蕩けるサンジくん。目をハートにして嬉しそうに床に崩れ落ちてくれたおかげで頭を撫でやすくなってさらさらの髪をぐしゃぐしゃにする勢いで両手で撫で回す。ふわぁあ、と気の抜けた吐息を出してさらに崩れ落ちて、というか言葉通り溶けていくから、私もそれを追いかけてサンジくんの長い足の間に座り込む。散々撫で回してさらさらの金色の髪があちこちにぴょんぴょん飛び跳ねたまま整えずに両手をするすると下へ進めて今度は両耳を手のひらで覆って撫でる。相変わらず不思議そうにはしているけど止めもせず、逃げもしないからそのまま柔らかい耳たぶを何度か触ってまた下へ。滑らした手は今度は頬で止める。柔らかい頬。豊かな表情を浮かべる頬の筋肉は今はぴくぴくと跳ね動いて喜びながらも戸惑っている。親指で髭の生えた顎の下をそっと撫でれば、ひくひくと鼻が震えたのが見えてとうとう鼻血が出てしまうのかなと少し残念に思って気落ちする。まあでも、手を頬に滑らせた瞬間に鼻血を出してしまった前より成長したしと納得させて。だけどすぐに離すには名残惜しくてさりさりと顎髭をくすぐるのはやめられなくてしばらく熱中していたのにサンジくんははふはふと喘ぐような声をあげるだけでまだ鼻血は出さなかった。あれ? 頑張ってる? 思わず嬉しくなって私の頬も緩んでしまう。れでぃかわいい、息も絶え絶えになりながらまるで心の声が漏れたかのようなサンジくんの一言に気分を良くして顎髭を撫でていた手をまた下へ滑らせて、首を撫でる。ごくん、と喉が鳴った音が手のひらに直に伝わって、そのしっかりした喉仏の感覚にその場にとどまってしまいそうになる両手を叱咤して喉仏を通り過ぎてネクタイに指を引っ掛けた。へ、と気の抜けた声を聞きながらしゅるしゅるとネクタイをほどいて、ボタンも2つほど外してから両手をまた上へ滑らせる。えっ、えっ、と戸惑う声が上から降ってくるけど気にしない。首筋に戻した手を少しシャツの中に差し込んで肩を撫でる。肩を撫でて、溝をなぞって鎖骨をたどる。いつもはネクタイとシャツできっちり隠れているところ。左右からそれぞれ撫でて両手が真ん中で合流する。そのまままた下へ滑らせようとしたけどボタンが邪魔で更に外そうとした瞬間、腕に赤が散って顔を上げた。顔色が真っ赤に染まりすぎてわかりにくかったけどとうとう鼻血を出してしまったらしいサンジくんが、目をぎんぎんに血走らせながら息荒く私を見下ろしている姿はちょっとしたホラー。まあ私のせいなんだけど。今日はここまでかあ、と残念に思いながら今度こそ両手をサンジくんから離して準備していたタオルでサンジくんの鼻血を拭うのを手伝う。ふが、と押し付けられたタオルに埋もれるサンジくんがもごもごとなにかを呟いたのが聞こえて、なあに、とタオルを浮かせて尋ねた。中途半端に拭われた鼻血が顔について悲惨なことになっていたけど、まあサンジくんだし。
「あの、あの、……最近のこの、このご褒美タイムはなに……?」
「ご褒美タイムだと思ってたの?」
「えっ違うの」
もじもじと尋ねられた言葉に思わずびっくりして繰り返せばサンジくんがぎょっとしておれ以外にもこんなことを?だなんてとんでもない発想を口に出したから眉を顰める。
「サンジくん以外にするわけないでしょ」
「よ、よかった。じゃああの、ご褒美タイムじゃなかったらなに……?」
なに?と改めて言われると困ってしまう。うーん、と唸りながらサンジくんの顔に広がった鼻血をタオルで拭きながら考えて口を開く。
「トレーニングかな」
「とれーにんぐ……?」
もご、とタオルに口を塞がれながらおうむ返しで呟いたサンジくんに頷く。
「プラトニックな関係もいいけど、私はもっとサンジくんと深い仲になりたいんだもん。だから、」
慣れてもらえたらいいなと思って。その言葉は口に出せなかった。サンジくんの顔を拭いていたタオルが一瞬で重たくなって滴るほどに赤く染まって、ごつんとサンジくんが床に後頭部を盛大にぶつける音。せっかく鎖骨まで触れるようになったのに、次から頭を触っただけでさっきの会話を思い出して鼻血を吹き出してしまうようになるんだろうなあ。トレーニングの効果が出るどころかリバウンドしてしまってサンジくんと深い仲になるのはまだまだ先になりそう、と苦く笑う。だけどまあ、そんなサンジくんを好きになったんだから仕方ないか、とチョッパーを呼ぶために立ち上がった。
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